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些細なこと
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ただでさえ隠すのに慣れてしまって
本心を伝えるっていうのは苦手だし、
もっと素直に自分の気持ちを言えたら
良いだろうけど、いざ本人を目の前にすると
なかなか上手く言えない。
他の人相手ならもう少し上手く
立ち回れんだろうけど
監督が、ああいう性格なだけに
つい俺も意地を張ってしまう。
でも、
簡単に心変わりするヤツとでも映ってて
それで呆れられてるのかもしれないとしたら。
だとしたら、今とられている態度にも頷ける。
ハァともう一度、
さっきより深く溜息が出た。
俺は多分、自分が思っている以上に
監督のことが好きになってるみたいだ。
「もう……よりによってあんな面倒臭い人なんか」
生まれて初めて勇気を出しての告白を
なんで信じてくれないんだよ、バカ監督。
「アレ?これで全員?」
放課後、夏に向けてのミーティングが
始まって間もなく譜都キャプテンが
周りを見渡して頭を捻った。
「あの……日野がまだ」
「アイツ、サボりか?」
「違います!補習を受けていて
決してサボリじゃありません」
日刀田先輩が生意気だなと言うのを聞いて
俺は思わず口を挟んでしまった。
一瞬先輩は驚いた顔をした後、
「知ってるって。冗談だ、アホ」
と俺の頭を小突いた。
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