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和装の案内人
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「ねぇ、ケーキがあるけど食う?」
「ケーキ?」
「そうそう、うちの家甘党が多くって
いっつも何かしらのケーキがあるんだ」
「そう、なんですか……」
アレ?
さして気にした様子がないような?
「俺の部屋この先だから」
そう言って監督は自分一人
台所の方へ行ってしまった。
(先って……いわれても、どっちだよ!)
初めて来た家の勝手も分からないまま
このだだっ広いとこを他人の俺が歩き回るわけにも
いかず、どうしようと迷っていると、
何かにクイクイとTシャツを引っ張られた。
反射的に振り返るとそこには
若い着物姿の女の人が立っていた。
「こ、こんにちは。
あ、あの監督、あ、えと紺里先生の生徒で
今日お邪魔させて貰っています」
もー何回噛んでるんだ、俺。
そんな挙動不審な俺にその人はニッコリ笑って
こっちと言わんばかりにまた袖を引っ張った。
何度か角を曲がると漸く渡り廊下が見えて、
女の人がその先を指を指した。
どうやらアレが監督の部屋だと
教えてくれているらしい。
「有難うございます」
礼を言うと、再びその人はニッコリ笑い
そして何処かへ行ってしまった。
ホント助かった。
家の人?もしかしたらお弟子さんの誰かかも。
ったく広すぎるよ、この家!
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