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束縛ー2ー
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「おはよう…ござい、ます…」
誰にも会わないようにひっそりと保健室に向かい、
いつものようにコンコンとノックしてからドアを開けた。
挨拶はしなさい。ってはる兄が…
「おはよう。久しぶりだね、悠斗くん」
ふわふわした雰囲気の先生に温かく迎えられて、
僕は何故だかボロボロと涙を溢れさせてしまった。
「…えっと、、 悠斗くん、とりあえず中入ろうか。 あれ?今日はお兄さんと来てないの?」
「あのね、今日はね、歩いてきたの」
はる兄とはいつもここまで来てるけど、兄様とは校舎前で別れたきりだから、
なんか寂しくて、もっと涙が出てきた。
止まれ、止まれ。って思ってるのに…
それでも、
先生に大丈夫。落ち着いていいよ。って背中をさすられれば、
不思議と大丈夫だと思えて、自然と涙が止まった。
「1人で来たの?」
「違う…兄様、 兄様と歩いて来たの」
「兄様? あぁ、真ん中のお兄さん?」
「うん」
ベッドに腰かけて指遊びを始めた僕の頭を先生は優しく撫でて、
「ちょっと出るね」って部屋を出た。
1人になれば、
この前のここでの出来事が再生される。
はる兄との出来事も再生されて…
僕は膝を抱えて耳を塞いだ。
怖いよ。
先生、
兄様。
誰か、助けて。
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