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日常
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「はる兄…おはよう」
「あぁ悠くん、おはよう」
眠そうな目をこすりながらリビングに来た可愛いこいつは、一番下の弟である悠斗。
今までは俺が起こしていたんだけど、最近やっと自分で起きられるようになったらしくて、毎日自分でリビングまで来てくれる。
それでも眠たくて、俺のもとまで真っ直ぐに歩けていない悠くんの姿は凄く可愛い。
だけど、危なっかしい悠くんの姿を見て、
あれで起きてるのか?って言いたくなってしまう。
本人に行ったら嫌われるかもしれないから言わないけど…
本人は成長したつもりなんだろうから…
でもね、
俺にとってはまだまだ子どもなんだよ。
「はる兄、今日もちゃんと起きた」
(偉いでしょ?)とでも言いたげな悠くんの頭をなでながら、
「顔洗っておいで」
俺はそう言って笑い、悠くんを洗面所まで送った。
そう。やっぱりまだ子どもだ。
まぁそれは甘やかせすぎた俺が原因なんだろうけど…
お粥を作ってテーブルに起き、ソファーに寝ているとわを起こした。
寝てるんじゃなくて目を閉じているだけだったけど…
「と~わ、食べて。薬飲めないだろ?」
俺が何度言っても、とわは怒った表情を見せたまま、一向に口を開いてくれない。
無理やり食べさせて、戻してしまったことがあったため、出来れば無理に食べさせることはしたくないんだけど…
「あれ?兄様起きてたの?」
すっかり目の覚めた悠くんが、俺に近づきながら言った。
さっきはとわの姿が見えていなかったみたいだ…
「うん。さっきもソファーにいたよ。それでさ、お粥よそって食べててくれない?ごめんな、お粥で」
俺がとわの方を向きながら言うと、
悠くんは嫌そうなな顔一つせず、にっこりと笑ってくれた。
「別にいいよ。でも兄様大丈夫?この前熱下がったばっかりだし…」
「そうだよな…」
確かに、心配だ。
つい最近、「熱が下がって良かったね」って話してたわけだし、
とわの場合、ただの風邪だと言い切れないこともあるから…
「はる兄の分も注いでおくよ?いい?」
「ふぇっ?あぁ、ありがとっ」
悠くんは、笑いながら席について、「おいしい」って言いながら、お粥を食べてくれた。
前、とわが熱を出してしまってお粥を作ったときに、
「別に朝ご飯作るのは面倒くさいでしょ?」
って言ってお粥を食べてくれたから、それからはそんな悠くんの優しさの甘えてしまっている。
本当はお粥なんておいしくないんだろうけど、
やっぱり2種類の朝ご飯を作るのは面倒くさいから…
「ん?どした?」
少し物思いにふけっていると、スエットの袖をつんつんと引かれた。
引かれた腕のほうであるとわの方を見ると、
怒りながらも「一口だけ」そう呟いていた。
(なに怒ってるんだよ)
そう思いながらも、
「ありがとね、ほらあーん」
って小さな口にお粥を流した。
とわは体調を崩すたびに食欲が落ちるから食べさせるまでが大変で…
二口目を用意していると、
とわの白い手が口元にのびた。
そのまま辛そうに「うぅ…っ…」ってえずきはじめて…
(あぁ吐くな)そう思った。
「ごめんな、とわくん。袋持ってくるからちょっとまってな」
俺が席を立つと、とわは「いや…」って言って涙をながした。
いやって言うなよ。
辛いだろ?
「袋持ってくるだけだって…な?」
俺がそう言って頭を撫でても、口元を押さえていないほうの手で俺の裾を握り締め、離さなかった。
「お兄ちゃん…ゃ…行かないで。行か…ないで」
なにをそんなに心配しているのだろうか。
俺はどこにも行かないのに…
でも俺のせいなんだよな…
俺のせい…
「吐かない。大丈夫だから…行かないでよ」
「分かった。じゃあ薬飲んで寝ような」
結局は俺が折れて、とわの隣に座り直すことになった。
薬を飲ませると、とわは眠たそうに目をこすりはじめた。
「眠いか?」
「…ん…お兄ちゃん」
俺のことを『お兄ちゃん』って呼んでソファーにもたれかかるとわをそっと抱き寄せて、
「おやすみ」
そう呟いた。
「おやすみ…」
とわはそう応えて俺の胸に顔をうずめた数秒後、そのまますやすやと寝息をたてて夢の世界に入っていった。
さっきの反抗はどうしたんだよ。
誘ってるのか?
「おやすみ…大好きだよ」
俺はそっと、
額にキスを落とした。
俺はこいつが愛しい。
この可愛さに嫉妬していた昔の俺をぶん殴りたくなるくらい。
どうしたものか
愛しくてたまらない。
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