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学校
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3日たって、やっととわの熱が下がった。
今日からとわも学校に行ってくれるし、
溜まってた仕事でも…
そう思っていると、とわがソファーで眠り始めた。
あと15分で学校始まるっていうのに
ったく、なに考えてんだよ…
「とわ、どうした?学校行くよ」
本当は大きな声を出したいけど、
あんまり驚いて発作おこしたら大変だから優しく声をかける。
「面倒じゃん、高校なんてさ」
「せっかく熱下がったんだから…」
元気になったとたん反抗するなんて、
あぁ、熱あったときは『お兄ちゃん』って可愛かったのに…
「兄様、僕も学校行くから…一緒に行こうよ」
悠くんが可愛くお願い。
流石のとわでもこれは…
「ったく、マジで悠、それはやめろよ」
「えっ?兄様?」
困ってる。
とわが困ってて可愛い。
「分かったよ。行きゃいいんだろ?ほら、早く行くぜ」
君待ちだったんですけど…
「悠くん、マジでありがと」
俺はとわに聞こえないようにそっと耳打ちをすると、
はにかむ悠くんを抱き上げた。
毎日学校まで送ってやってるのだが、
校舎の前に乗り付けるのは嫌だと言うので、校門の前で降ろしてやっている。
(間に合うかも)そう思ったが、案の定遅刻で、
指導部の先生が校門の前で仁王立ちをしていた。
仁王立ちってマンガかよ…
そう思ったのは俺だけじゃないはず。
とわは慣れているのか、そんな先生には目もくれず、
悠くんの頭を撫でて、
「俺も学校行くからお前も頑張れよ」
って笑い、車を降りていった。
瞬間、悠くんの固まっていた頬が緩んで、
「兄様ありがとう」
悠くんは、振り返ることもしないとわに向かって手を振った。
いとも簡単に悠くんを笑わせるなんて…
ずるい。
「なぁ悠くん」
俺は悠のキスを奪った。
「どうし…えっ?」
驚いている顔も可愛い。
「悠、好きだよ」
「いきなりどうしたの?」
「悠は嫌い?俺なんて要らない?」
「そんなわけないよ。僕ははる兄が好きだし、はる兄が必要だよ?」
「うそだ。俺は悠のこと好きなのに…」
「ねぇはる兄?」
俺は困り果てた顔の悠に、もう一度キスをした。
今度は蝕むようなキス。
苦しそうな、でも嬉しそうな悠を、自分のものにしたかった。
「はる兄、大好き」
耳元でそう囁かれて、俺はやっと我を取り戻した。
「悠くん。ごめん。気持ち悪かったよな…」
「ううん。はる兄だから、はる兄だから嬉しかったよ」
無邪気に笑う悠くんの顔が見れなくて、俺は視線を窓の外に向けた。
またしてしまった。
悠くんを試すようなこと…
不安だったから。
俺は必要ないんじゃないかって…
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