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なんだか段々恥ずかしくなり、光に反射したきれいな金髪をぐいっと引っ張る。
「馬鹿なこと言ってねーで、頭どけろ。お前の髪こしょばい」
「…ふふ。はーい」
そう言って、やっと俺の上から玖村が離れる。
ホッと息を吐き、俺も体を起こす。
ふと、さっき掃除終わりのチャイムが鳴っていたことを思い出した。
となると、そろそろ部活の時間だよな
「お前、部活とかやってねーの」
「やらないよ」
即答かよ。
しかも、『やってない』じゃなくて『やらない』
これからもやる気はないという事か?
「朝、運動部の連中から声かけられてたじゃん」
「あれは俺の運動神経見たからでしょ、それに部活なんかやって余計にファンの子増えたら面倒じゃん」
「うわ、自慢かよ」
サラッとドヤ顔で自慢されたが、不思議とさっきまでのようなイライラは感じない。
「まあ、やってないならいいんだけど」
よいしょ、とソファから腰を上げて、そろそろ帰ろうとする。
すると俺の伸びきったカーディガンを、くんっと引っ張られた。
普段下から誰かに見上げられるということがないし、すごい新鮮だ。
しかも相手はこのイケメン……
嫌でも顔が赤くなる。
「…ふはっ!なんで顔赤いの…っ」
「っ!赤くない!」
「えぇ〜、もう…可愛いなぁ……」
「きもい!可愛いって言うな!!」
満面のへにゃへにゃした笑顔を向けられ、余計に顔が赤くなる。
それを見て、玖村の笑顔はもっと、へにゃっとなる。
周りに見せるような完璧な笑顔なんかじゃない。もっと子供らしい、可愛らしい笑顔。
……不覚にも可愛いと思ってしまった。
本人には絶対言わねーけど。
「ってか、何だよ!服引っ張んな!」
「も〜、ツレないんだから」
苦笑を零しながら言いつつ、袖から手が放される。
「どこ行くの〜?」
「帰るんだよ。いつまでもお前と2人でこんなとこいてられっか」
「え〜、じゃあ一緒に帰ろう?」
「っざけんな、ついてくんなよ!」
玖村から投げられた鍵を受け取り、ガチャっと鍵を開ける。
捨て台詞みたいに叫んで、やっと部屋から出た。
もう部活は始まっていて、部屋を出た瞬間それぞれの部の、暑苦しい掛け声なんかが聞こえてくる。
「熱すぎ…うざ」
季節に合わない運動部の活気に嫌気がさしながら、ボソッと呟いて教室に戻る。
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