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俺の有意義だった(?)高校生活。
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「勉強教えて!な?!なんか奢るからさぁ!!」
しつこく頼んでくる潤の必死さに思わず苦笑いが零れた。
ここで断ったら俺、最低なのかな……
嫌でもそんなことを考えてしまうのはやはり過去を引きずっている証拠だった。
でも、ならべく人との関係は広く浅く。
それが俺を守る方法。
自分を傷つけない1番の策。
それがこのざまかと潤に見えないよう自嘲した。
辛くないといえば嘘になる。
本当は友達だって沢山欲しい。
だけど昔みたいな経験はもうしたくない。
俺はどうすればいいのか分からず困っていると。
「おい、田邊〜」
柔らかい低音な声が俺を救ってくれた。
その声の主は担任の岡場俊平。
クラスの中では岡ちゃんやおかへいなど親しまれている教師。
きらきらとしたミルクティーブラウンと爽やかで整った顔立ち。
まさにどこぞやの王子だろと疑うほど。
何より裏表のない笑顔は生徒に評判が良い。
これまた羨ましい。
岡場がこちらに向かってきてきらきら笑顔で田邊に話しかけてきた。
俺は呆然とそれをただ見ていた。
「田邊、お前苦手なの理系だけだったよな?」
そう聞かれた本人の田邊は驚いていたもののすぐにああ、そうそう!となんなく元の調子に戻った。
岡場は子供のような無邪気な顔で今度俺が教えてやる!と言い出す。
なにそれ、超助かる。
俺は心で岡場にありがとうと拝んどいた。
「いや、そりゃぁ助かるわ〜!だけど岡っちって理系得意なの?」
「そりゃな!文系なんかより本当はそっち」
「へぇ意外〜、な!」
「ん?!あ、ぁうん...」
急に俺に振ってきたのでビビったけど平常心を保つことができた。
にしても、岡場って理系って顔に見えないけどな。
いや、偏見じゃないんだけど。
何となく岡場って爽やかだしまぁ、歴史好きなんだっ!!ってほうがまだしっくりするような気もするし。
そんなことをもんもんと1人で考えていると笹川と呼ばれてしまった。
勉強のことか?と思って目を合わせると切れ長の綺麗さと優しさが入り交じったような瞳とぶつかる。
わっ、睫毛なげ。
「後で資料運ぶの手伝って」
「え……」
勉強の話じゃないのかよ!!!!
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