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想定外もいいとこ。
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だりぃ。
ホームルームから岡場の顔すら見れない。
なんだよこのザマは。
だっさ。
言い訳すらできないじゃんか。
てか、さっきからずっと視線を感じるんですけど。
視線先を恐る恐る見た。
ぱちっと目と目が会ってしまってすぐに逸らして机に視線を向けた。
やっちまった。
めっちゃ目があっちゃった。
あーでも、やっぱ睫毛ながいわ。
こっそりと目を岡場に移せば王子のような横顔が見え、そこから首元、肩、腕ときて手に目がいく。
岡場の綺麗でいて長い指は男らしさも失わない。
俺の方が少し細いかもしれない。
少し悔しくて自分の手を見て眉を寄せた。
なんだかずっと岡場を意識してしまっていて訳分からなくなってきている。
なんでこんなにあいつを思うと胸がぎゅってしてあったかくなんだよ。
おかしいだろ。
変だ。
俺、誰かにいくら気付いてもらえたからって単純すぎだって。
分かってる。
でも、こんなの担任に寄せるような気持ちじゃない。
だめだ。
絶対。
それに、昨日がちゃんと話せたようなもんで。
ほとんど空の上の人だって思ってて。
俺なんかゴミクズで。
だから。
だから、俺は。
いつも眩しくて皆から愛されてて太陽みたいで誰にでも明るくて優しくて
そんな、そんなあいつを岡場を、先生を。
羨ましくて、尊敬してて、話しかけられた時は死ぬほど嬉しかったんだ。
あの笑顔を向けられた時この人はやっぱすげぇなって本当に思ったんだ。
辛かった時は母さんがいつだって大丈夫!何とかなる!って笑ってくれてた。
先生の笑顔はその時の母さんの笑った顔に似てるんだ。
心のもやもやを吹き飛ばすような先生の笑顔に俺はいつの間にか無意識に目が行っていたり。
どこかであの人の目に映りたいって。
思ってたけど、
それはだって憧れで見てくれてたなんて思ってもなかったし。
教師としてじゃない。
思い出すだけでまた胸が変になる。
だめだ。
これ以上考えたら可笑しくなる。
一時間目の授業はほとんど覚えてない。
ただ、ぼぅと黒板の前で教師の顔している岡場を見ていた。
見とれてたと言った方が正解かもしれない。
ただ、やっぱり認めたくない自分がいたりするからか若干、睨み付けるようになってしまっているがしょうがない。
担任にしかも男にこんな気持ち、絶対気持ち悪がられる。
今のところ想いを伝えるなんて死んでもないからまだましかもしれないけど。
きっと、あいつは綺麗な奥さんもらって幸せに暮らすんだろうな。
愛してるってその人だけに伝えて。
岡場が甘い顔で声で愛してるとか好きだとか言ってるのを想像してなぜか熱くなってきてしまった。
(俺、なんで……馬鹿みたい)
担任に、しかも正真正銘の男相手に興奮してしまうなんて。
最悪だ。
死にたい。
俺なんかを気にしてくれた岡場にも申し訳なくなって変な罪悪感と劣等感。
俺ってゲイだったのかよ。
今まで男に興奮とか変な気持ちになったりなんて1度だってないのに。
熱を治めるのに必死で俺は気づいてなかった。
岡場が俺を気にするように見ていたことに。
その瞳に優しさと同時に熱のこもった甘さを含んでいたことに。
知るはずもなかった。
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