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想定外もいいとこ。
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まだ暑さの残る10月初め。
あれから放課後になった頃、
俺はまた呼び出されてしまった。
もちろん
担任のあいつに。
「なんで俺が……」
こうやって岡場に関われて期待してしまっている自分が居るから嫌になる。
期待なんかしたらきっといい結末なんてない。
俺はそれをよく知っている。
今までがその証拠だったから。
誰かの優しさに甘えて頼って縋っても結局行き着く場所は暗闇。
俺はそれを何度も味わった。
とくに恋愛絡みは地獄。
いつだったか
好きな子ができた時、その子は俺なんかにも明るく接してくれて大切にしたいって思えた子だった。
俺は何を間違えたのだろう。
勇気を出してガキっぽく真っ赤になって告白した。
体育館の裏で緊張でがちがちだったっけ。
でもその子は俺を見て驚いた顔をして。
「先生が仲良くしとけって言ってたから仲良くしてただけ」
そう言われた。
「ごめんなさい。笹川くんと付き合ったら周りからなんか言われちゃいそうだし…」
そん時の俺の顔はきっと悪口を言われた時よりも酷かったと思う。
初めての告白は苦く不味く。
甘さなんてもう残ってなかった。
また思い出して吐き気がした。
これから岡場に会うのに何やってんだよと人気のなくなった廊下で壁に寄り掛かりながら前に進む。
俺は何したって悪い方にしか行かない。
周りは俺をクズを見るみたいな目で見てくる。
今はなんとかなってるけどその内なんかあればすぐに周りも昔みたいになる。
また、母さんに迷惑かける。
嫌だ。
そんなの、嫌だ。
「おい!笹川?!」
まただ
優しくて包むような声が俺の名前を呼ぶ。
本当にあんたはそうやってなんで俺を救ってくれるんだろう。
温かい人の体温を感じて意識は遠のいていく。
あ……この香りすげぇ好き。
俺はそこで意識を手放した。
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