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君のためだから
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まふまふside
ま「はい、ここは絵師様に描いてもらいましょう」
スタ「ならここはキャラクターイラストということで宜しいですか?」
ま「はい」
スタ「マフラータオルは今回も2色展開にします?」
ま「お願いします。今回は赤と青がいいです」
スタ「名前…どうされます?」
ま「…英語で赤の方に僕で、青にそらるさんの名前を。そして真ん中にAfter the Rainの文字が欲しいです」
僕は右耳に付けていたイヤリングをぎゅっと握った
スタ「なるほど、一応提案してみますね」
ま「はい、ありがとうございます」
スタ「今回ですね、あと1種類グッズを出そうと思うのですが…何が宜しいですか?」
ま「何か候補とかあります?」
スタ「特には無いですね」
ま「そうですか…あの、出したいものがあるんですけど」
スタ「何ですか?」
ま「ギターピックなんですけど…」
スタ「全然大丈夫ですよ」
ま「本当ですか!ありがとうございます!」
スタ「デザインは…どうされます?」
ま「表にそらるさんの名前、裏に僕の名前を」
スタ「はい。提案しておきますね」
ま「ありがとうございます」
スタ「では、今日はこれで終わりです」
ま「わかりました。ありがとうございます。」
僕は内心焦りながら部屋を出た
ま「早く…早くそらるさんの所へ…」
僕は走って建物の外へ出た
すると建物の前に、1台のタクシーが止まっていた
すると運転手が降りてきて
運転手「お待ちしておりました。どうぞ。」
運転手さんはドアを開け、僕を招き入れた
ま「え…あの」
運転手「大丈夫ですよ。あのお方から」
運転手さんの目の向けた方を見ると
そこにはマネージャーさんがいた
マネージャーさんは僕の方へ頭を下げた
マネージャーさんが僕を気遣って、事前にタクシーを呼んでくれていたようだ
僕は窓を開け
ま「マネージャーさん!ありがとうございます!」
マネ「はい!そらるさんを…よろしくお願いします」
車は走り出した
ま「そらるさん…」
僕は窓の外をみていた
それでもそらるさんしか頭になくて…
\ピロン/
ま「なんだろ…」
スマホを開くと、そこにはお姉ちゃんからLINEだった
見てみると
姉「ねぇまふ、今日、1度お母さんの所へ帰ってきてくれない?」
何でだろ…でも僕は……
ま「ごめん、お姉ちゃん。今日は無理なんだ。」
スグに既読が着いた
姉「お願い」
僕はそらるさんの所へ…
スマホの時計を見ると13時だった
絶対間に合わない。僕は約束を果たしたかった。
ま「お姉ちゃんごめん。今日は本当に無理なんだ。ごめんね。お母さんにも伝えて欲しい」
姉「なら電話ならいい?スグに終わるから」
ま「良いよ」
するとスグにお姉ちゃんから電話が来た
ま「もしもし?どうしたの?」
姉「あのね…私…好きな人いる」
ま「うん、良かったじゃん」
姉「そうじゃ無いの…私の好きな人は…そらるさんだよ」
ま「え…?」
いやいやいや…え?
そんなことあるはずないじゃん
え…
姉「…それでね。またそらるさんに会いたくって…」
ま「そ…そっか。ごめん。ちょっと用事あるから切るね。」
姉「え…ちょっt」
プツン
僕はいつの間にか電話を切っていた
何故か息切れもしてて…
涙も流れていた
運転手「大丈夫ですか?私で良ければお話聞きましょうか」
僕は言う気は無かったのに、いつの間にか喋ってしまっていた
運転手「同性愛者さんなのですね。私も前はそうでしたね。男の人を好きになっていました。」
僕は目を丸くして運転手さんを見つめた
ま「そうなんですか!?」
運転手「はい、あ、今は違いますよ。奥さんだっていますし、子供もいますからね」
ま「そうなんですね…あの…今その相手さんは」
運転手さんは少し固まった様子を浮かべ、スグに笑顔に戻った
運転手「あぁ、今はもう…連絡も交わしていないですよ。なんか…気まづいですから」
ま「そうなんですね…。どうして別れたのですか?」
運転手「恥ずかしい話なんですけどね。相手が私の女友達を好きになってしまって…。もう私の役目はいらないかなぁと思いまして」
僕もお姉ちゃんに負けちゃうかな…
ま「そうだったんですね……」
運転手「でも今は幸せな暮らしを出来ているそうなので私は嬉しいですよ。良い経験にはなったと思います。でも本当は少し後悔していますよ。友達に取られる前に素直に話せば良かったなって…」
ま「でもなかなか言えないですよね…」
運転手「そうですね、でも相手さんの方と幸せになる道を選ぶなら、素直に伝えた方が良いかもしれませんね。」
ま「…そうですか。」
運転手「あ、そろそろつきますよ」
ま「あ!はい!」
僕は大きく深呼吸をし、
車を降りた
ま「そらるさん、待ってて」
僕は右耳につけた赤いイヤリングを握って。
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