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君のためだから
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そらるside
?「ねぇ、死にたくない?」
また…ここか
そ「うん」
?「そっか、なら僕を拾ってよ」
黒い奴は、ニコッと話しかける
そ「え?」
?「僕を拾って?捨てたんでしょ。中学の頃。捨てた。なら拾えばいい。」
そ「でも…拾うって…」
奴は俺の周りをクルッと回った
?「何?昔を思い出すのが怖い?」
そ「…」
?「ねぇ、考えてよ。僕はその怖いところにずっと1人なんだ。ずっと。拾いに来てくれる?」
そ「それは…」
?「いい加減昔の自分と向き合いなよ。もう君は弱くないんだから。」
そ「…」
?「中学の頃、お母さんいなくて、いじめられたよね。お前、母さんいねぇんだろ?って」
そ「…」
?「それで君は手が出た。男の子を殴った。親も呼び出されてさ。それからもっといじめられたね」
そ「やめて…」
俺は細い声しか出なかった
?「トイレで水かけられたり、机が無かったり、鞄がボロボロだったり。先生は気づいてたのにね。君を見捨てた」
そ「…」
?「そして不登校になったね。どう?今さら思うとバカバカしいよね。そんなの無視すればいい話なのに。」
そ「うるさい…」
?「大学の時、彼女が交通事故で亡くなった。君の1番の親友が自殺した。辛かったよね。しんどいよね」
そ「やめて」
?「君は好きな歌も歌えなくなった。全然歌えなくて、辛かった。その時、まふ君の動画見たんだよね」
そ「…」
?「あの声が落ち着いたんだよね。好きだったんだよね。ずっといつもあの声を聞いていた…。そう…視聴回数の少ない…あの動画でも君は救われた………ウ…」
奴の声はか細く弱い声に変わっていた
そ「…え?」
?「…ヒック…僕も……辛いよ…誰か助けて…」
奴は小さい頃の俺になっていた。
とても小さく、とても弱い
そっか…俺が自分と見つめあわなかったから…
そ「…ごめん。今まで本当にごめん。俺…ちゃんと向き合う。これから、お前に幸せな世界を見せてやる」
?「…え?……ヒック…本当?」
そ「おう…今までごめんな。俺が…俺が弱かったから」
俺は奴を抱きしめた
?「…ありがとう、ごめんなさい。イタズラして、ごめんなさい…」
奴はサラサラと消えていった
すると当たりは明るく、白い天井が見えた
体は重かった
左を向くと
窓からとても明るい光が差し込んでいて
右を向くと隣にまふがいた
その目には涙があった
そ「まふ…」
俺はまふの頬を撫でた
ま「そらるさん…」
まふは涙を浮かべ笑っていた。ニッコリ笑っていた
そ「ありがとう…まふ…」
ま「…はい」
先生「起きた?麻酔、切れたみたいだね」
そ「先生…今日はありがとう」
先生「いや、今回はお前が頑張ったから成功したんだよ。お疲れさん」
先生は俺の頭をくしゃくしゃしてくれた
そ「うん、先生、俺はいつ退院できるの?」
先生「あと1週間くらいかな、体調次第だよ」
そ「そっか…まふ、ライブ間に合ったね…」
ま「はい!…ヒック…ぅ…そらるさぁん!」
まふは俺に飛びついてきた
そ「おいおい…重たいよ」
まふは大声で泣いた
ま「そらるさん…そらるさん…」
そ「大丈夫、俺はここだよ」
ま「当たり前です!そらるさんはずっと僕の隣です…」
そ「そうだったな」
俺は窓を眺めた
外はとってもスッキリしていて
とても明るかった
そ「そっか…もう終わったのか…」
ま「何が…ですか?」
まふが不思議そうに聞いてくる
そ「ん?何でもないよ」
もう…俺は弱くない。
守りたい人が出来たから…
ま「そらるさん?」
そ「ん?大丈夫だよ」
ま「はい!」
そ「あ、みんなに伝えないとな」
ま「ですね」
ーーーーTwitterーーーー
そ「皆様、手術成功しました。本当にありがとうございます。今回成功したのは皆様のお陰でもあり、まふまふのお陰です。まふはずっと俺の傍にいてくれて、ずっと看病してくれました。最高の相棒です。皆様、これからもよろしくお願いします」
ま「そらるさんの手術が成功しました。本当に良かったです!皆様本当にありがとうございます!またそらるさんと歌います。沢山歌います!
大切な人が居るのってとってもいいことなんですね。これからもAfter the Rainをよろしくお願いします!」
そ「まふ…今までありがとう」
まふはビックリした様子を浮かべて
ま「…はい!これからも2人で頑張りましょうね!」
そ「おう…俺達は2人で歩いてゆこう」
ま「はい!」
母さん、先生、まふ
みんな本当にありがとう
俺は大切な人を見つけたよ
こいつとずっと一緒にいる。
これからもずっと…
太陽の光で、赤と青のイヤリングが綺麗に輝いていた。
ーーENDーー
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