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あの星をもう1度… 22
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まふまふside
僕とそらるさんは授業が終わり、いつものように新館校舎へと向かう。
この静かな空間に僕とそらるさんの足音だけが響く。
僕の手を握るこの手はとても暖かかった。
\ガラガラ/
そらるさんは旧美術室の扉を開けた。
昨日、ここで僕は泣いてしまった。
そう思い始めると恥ずかしくなってきた。
そ「おいでまふ」
そらるさんは教室の机の上に軽く座っている。
そして僕に向かって両腕を伸ばしている。
僕はそらるさんの元へと向かった。
するとそらるさんはフワッと抱きしめてくれる。
あの甘い匂いもした。
ま「そらるさん…甘い匂いしますよ」
そ「これの事?」
そらるさんはカバンの中から香水を出した。
その匂いは花の甘い香りがした。
ま「はい!いい匂い…」
そらるさんのこの甘い香りはキツくなくて、
近づいた時にふわっと香る。
そ「まふは何使ってるの?」
そらるさんが聞く。
僕はキツイ香水は苦手だから
ほんのりと香る匂いにしている。
ま「ん〜、当ててみてください!」
僕が軽い気持ちで返事をすると
そらるさんはいきなり僕の腕を引っ張り、
僕を抱きしめた。
そしてクンクンと匂う
そ「ん〜、石鹸系でしょ?」
僕は当てられたのと、いきなり抱きしめられた事で顔を赤く染めた。
ま「…はい」
そ「当たり♪」
そらるさんはにこっと笑っている。
その笑顔は可愛かった。
そして僕の顔を余計に赤く染める。
ま「そらるさんって匂いフェチなんですか?」
スグに香水の匂いも当てられたから
そ「ん〜、かもね。まぁ声とかも好きだけど」
声か…僕には程遠い現実…
僕には答えられないじゃないか…
僕がシュンとしていると
そ「もしかして自分には無理って思ってる?」
ま「はい…」
僕は静かに答える
するとそらるさんは僕の腰をふいっと自分に寄せる
そ「お前の声好きなんだけどなぁ」
僕はびっくりした。
初めてこの声を褒められた。
男子なのに女子みたいに高くて
ただただ憎かったこの声。
それを好きって言ってもらえた。
そ「お前のこの声が好きだし、高い声だからこそ羨ましい」
そらるさんは僕の肩に顔をうずめる。
そらるさんはきっと自分の声が嫌なのだろう。
そらるさんは低い声で
とても落ち着く声。
僕はこの声が大好きなのに。
ま「僕もそらるさんの声、大好きですよ」
するとそらるさんは「え?」と僕の方を見た。
ま「だって…凄く安心できる声ですから」
するとそらるさんはふふっと笑い
そ「ありがとう、初めて褒めてもらえた」
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