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あの星をもう1度… 28
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まふまふside
僕達は先生の車へ乗り込む。
先生は運転しながら説明してくれた。
先生「さっき、お母さんの状態が悪いと病院から連絡が入った。白木、何か分かるか?」
僕はずっと俯いていた。
するとそれに気づいたそらるさんが
僕の腕をぎゅっと握る。
そ「まふ…大丈夫だ。大丈夫だよ」
そらるさんのその瞳はとても真剣で僕を見つめる。
僕はそっと口を開く。
ま「母さんは……母さんは元から体が弱かったんです…だから…姉ちゃんがほとんど家事もやってくれるし…母さんはリビングや寝室から出られない…」
すると先生は「そうか…」と落ち込んだ様子で運転をする。
ま「母さんは…心臓病を持っているんです…」
僕がそう言うとそらるさんは少しピクンと体を反応させた。
そらるさんはとても怯えている様な表情をしていたが、手を離さなかった。
すると先生はつばを飲み込み、バックミラーでそらるさんを見る。
先生「蒼夜、白木の今の心の支えはお前だけだ。しっかりしろ」
するとそらるさんは僕の方を向き、言った。
そ「大丈夫」
その瞳は怯えていなかった。
すると先生はキッとブレーキを踏む。
病院に着いたらしい。
僕達は車から降り、病院の中へと入る。
その病院は大学病院だった。
大学病院へと運ばれると言うことは、
それほど症状が酷いのだ。
病院の中には姉ちゃんがいた。
姉ちゃんはこちらに気づいた様子で、こちらに小走りに走る。
姉「まふゆ…」
ま「姉ちゃん!母さんは…っ!!!」
姉ちゃんは目に涙を浮かべつつ、僕に抱きつく。
先生とそらるさんはそれをそっと見つめていた。
姉「母さんが…倒れたって……学校まで電話来て……母さんがぁ……まふゆ…」
姉ちゃんは泣いていた。
僕は涙を流すのを堪えつつ、姉ちゃんを落ち着かせる。
ま「姉ちゃん…大丈夫…きっと大丈夫だよ」
姉「まふゆっ…私……」
僕達は待合室で待つ。
姉ちゃんはやっと落ち着いてきた。
姉「ごめんね…まふゆ。私が取り乱したら…まふゆだって辛いのに…」
姉ちゃんは涙を拭きながら言う。
ま「ううん。大丈夫。今母さんは…」
姉「応急で手術をしてるって…心臓担当の先生がいてくれて良かった…」
姉ちゃんは僕に苦笑いを向ける。
その笑顔は心の中からの笑いではなかった。
姉「そちらの方は?」
姉ちゃんはそらるさんと先生を見た。
先生「白木の担任です。白木の付き添いできました。」
そ「蒼夜と言います。僕も付き添いです」
先生とそらるさんはペコッと頭を下げる。
するとぶるるるると音が鳴る。
それは姉ちゃんのスマホからだった。
姉ちゃんは携帯を確認し、電話のために外へ出た。
そ「先生、もう大丈夫。俺も付き添うから」
ま「はい、先生。僕は大丈夫ですから。学校に…」
すると先生は「…分かった」と返事をし、
駐車場へと向かった。
僕はそらるさんに聞きたいことがあった。
今聞くべきではないと分かっている。
でも今だから余計に知りたい事。
ま「そらるさん…さっきの車の中で…」
するとそらるさんの表情はフッと変わる。
でもそれは一瞬だけだった。
そ「今だからこそ…話した方がいいよな。」
そらるさんは僕の手を強く握り、すべて話してくれた。
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