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あの星をもう1度… 34
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まふまふside
僕はそらるさんからそっと離れる。
ま「もう…大丈夫ですよ」
そ「そっか。俺の前では泣いていいから。な?」
そらるさんは僕の頭を撫でる。
そしてまたお皿の破片を拾う。
そらるさんも、昔のことを思い出して、とっても悲しいと思う。
でも僕のためにそばに居てくれた。
沈黙の中、そらるさんはそっと口を開く。
そ「なぁまふ…」
僕は手を止め、そらるさんを見ると
そらるさんは一つの破片を眺めていた。
そ「今度…お母さんのお皿買ってあげないとね」
そらるさんは僕の方を見て柔らかく笑う。
それはとても綺麗だった。
僕はビックリしたけれど、
そらるさんに「はい!」と返事をした。
姉「ねぇまふゆ…」
リビングの扉から姉ちゃんが顔を出す。
その顔は笑顔は無くて、とても暗かった。
ま「どうしたの…?」
すると姉ちゃんは僕を手招きする。
僕はそらるさんに「待っててくださいね」と言い、姉ちゃんの元へ向かった。
姉「まふゆ…これから2人でどうやって…」
姉ちゃんの声はとても震えていた。
2人で支えあって生きるのは難しい。
姉ちゃんは家事が大変になるのに、そろそろ学校の国家試験対策に入る。
それに金銭的にも母さんと父さんの保険金だけでは厳しい。
だから僕が高校をやめて、バイト詰めにするか。
それともおばあちゃんの元で暮らすか。
でも姉ちゃんはきっとこの家から出たくないと思う。
ま「なら僕が高校をやめt…」
姉ちゃんは僕の口をガバッと抑える。
僕が驚いた様子でいると
姉「そんな事…言わないで……」
姉ちゃんはそっと手を離す。
姉「まふゆ……大きくなったね」
姉ちゃんは目に涙を浮かべ柔らかく笑った。
その顔はとても母さんに似ていて、母さんが帰ってきたように見える。
僕は胸から来る悲しい気持ちを抑えて、姉ちゃんに言った。
ま「じゃぁ…おばあちゃんを呼ぼっか」
すると姉ちゃんは「分かった。」と言って、おばあちゃんへと電話をかける。
おばあちゃんは母さんの事をもう知っているし、
お葬式などのことはおばあちゃんがやってくれるらしいが…
もう年だから少し安心は出来ない。
病院へと通っているので、大学病院がまだ近いこの家に引っ越すならぴったしだろう。
姉「うん…おばあちゃん、来れそう?……引っ越しのお手伝いはするわ。……うん。………おばあちゃん泣かないで…おばあちゃん…」
僕は姉ちゃんを一人にした方がいいと思い、
リビングへと戻った。
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