アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
あの星をもう1度… 38
-
そらるside
そ「どうしたんですか?」
俺はまふのおばあさんに聞く。
するとおばあさんは優しく微笑む。
叔母「ありがとう」
これも"演じている"のだろうか。
そ「おばあさん、俺、分かってますよ」
するとおばあさんは目を丸くし、言った。
叔母「あら…なら皆には内緒ね?」
おばあさんはまた優しく微笑む。
みんなからとっては少しズレて見えるのだろうけど、本当はそんなことない。
すべて演技だ。
そ「何でそんなこと…」
叔母「私が変に気を使わせたらダメでしょ?こんなキャラだったら、辛いこともみんな忘れてくれるかなって」
おばあさんはふふっと笑っている。
そ「でもそれじゃぁ貴女が辛いでしょう?」
それでもおばあさんは笑っていた。
叔母「そうね…気づいてくれる人もいるって知れて良かったわ」
おばあさんはやっぱり笑っている。
これは作り笑いなのか、心の中からの笑いなのかは分からない。
何十年もこの笑顔で生きてきたのだろうか。
それは、とっても辛い人生。
それでも周りを笑わせようとする。
それはとてもまふに似ていた。
叔母「ねぇ…あなたはまふゆが好き?」
おばあさんはあの微笑みのまま俺に聞く。
俺は少し驚いたけれど、すぐに返事をした。
そ「はい。」
叔母「なら…まふゆを連れ出しても構わないわよ。これはさっきお姉ちゃんとも話した。それに今はいないお母さんとも話しをしていた。」
俺は驚いた。
その言葉はまふを連れ出せ。と言っているみたいだった。
それはどういう意味なのかは分からない。
そ「何故ですか?」
するとおばあさんは少し考えた様子でいう。
叔母「あの子やあなたにとって…1番大切なのが、お互いだからかな?」
本当にこのおばあさんは怖い人だ。
何もかもおみとうしだ。
そ「ごめんなさい。俺は今、まふを連れていくことは出来ません。」
するとおばあさんは驚いた様子でいる。
そ「今、まふを幸せに出来るか。何て聞かれても、分からない。としか言えません。待っていてくれるなら、あと2年後に迎えに来ます。まふを幸せにしたいから」
するとおばあさんは声を出して笑う。
それは心の底から笑っていた。
叔母「そうね…今のまふを1番知っているのはあなたかもしれないわ。これからもあの子を…宜しくね。」
そう言うとおばあさんは2階へと戻っていった。
俺はリビングへと戻る。
するとまふが俺に気づいた。
ま「そらるさん!美味しかったです!」
この笑顔が見れているのは、御家族の人や先生達が居るから、笑っている。
俺が1人で、この笑顔を作り出せるか。と言われても無理だろう。
そんなことを考えていると
まふは不思議そうにこちらを見る。
ま「そらるさん…?」
そ「ん、大丈夫。」
俺は机の上のお皿を片付ける。
するとまふも立ち上がり言った。
ま「僕も手伝います!」
今は無理だけど、いつかは、
俺の力でこの笑顔を見たい。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
113 / 175