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あの星をもう1度… 39
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そらるside
俺達は掃除を終わらせ、俺はまふの部屋を借りて勉強している。
まふは勉強机の後ろにあるベットに潜っていた。
きっと辛いんだろう。
そりゃぁ、今日の朝に御家族の方がいなくなってしまったらそうなるよ。
でもまふは本当に頑張ってると思う。
俺なんて1週間、何も出来なかった。
でも人の前では笑っていられるまふはとても頑張り屋だ。
俺が動かすシャーペンの音が響く。
その時、たまにまふの「ヒックっ」という泣き声や「母さん…」という呟きが聞こえる。
人前で泣かないんだよなぁまふは。
俺より強いじゃん。
そ「まふ…」
俺はシャーペンを置き、まふのほうを見る。
まふは毛布からチラッと顔を出す。
ほんの少し目が赤い。
それを隠すためだろうか。
そ「散歩…行こっか」
するとまふはコクンと頷き、毛布の中で目をゴシゴシ拭いて出てきた。
俺はまふに手を差し出す。
するとまふはその手を取り、ぎゅっと手を繋ぐ。
お姉さんとか大丈夫なのだろうか。と心配になりつつも、手を繋いだ。
俺達はおばあさんやお姉さんに挨拶をしてから家を出た。
家を出ると、空はオレンジ色に染まっていた。
俺達は歩き出す。
まふはずっと俯いていた。
俺の手を握るまふの手は少し震えている。
これは俺にどうにか出来ることではない。
でも少しでも気を紛らわして上げるのが俺のせめてもの役目だから。
そ「なぁまふ、今からどこ行こっか」
するとまふは少し低い声だった。
さっき泣いていたからだろうか。
ま「どこでも…良いですよ……」
そ「本当に?」
するとまふは顔を赤くして、目に涙を浮かべ俺の方を向く。
ま「どっか…遠い所……夢だって…思えるほど遠い所に……」
俺は驚いた。
まふのこんな弱い所を見たことなかったから。
それほど辛いのだろう。
俺はまふの手を引き、歩く。
まふは小さく泣いていた。
でも俺はまふの手を引っ張り、歩く。
そして俺は足を止める。
まふが「え?」と俺の方を見る。
するとまふは驚いた様子でいた。
なぜならそこはあの丘だったから。
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