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あの星をもう1度… 最終回
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まふまふside
僕は足を止める。
僕の心臓はバクバクと音を立てる。
1年前、ここで約束した。
ま「僕…待ってます」
そ「うん…必ず帰ってくる」
約束を果たした僕達。
僕達を結ぶ糸は
また繋がれる。
1人の影が僕に腕を伸ばす。
僕はその腕の中に向かって走った。
ま「そらるさんっ!」
そ「ただいま、まふ」
そらるさんが僕を優しく包む。
待ってたんだ…この日を。
そらるさんが日本を出て辛いこともあった。
でもこれからは2人で辛いことも乗り切っていける。
そ「約束、守ってくれたんだ」
ま「当たり前……ですよ」
アレ…?
どうして…涙が止まらない…。
ねぇ…止まって?
今はそらるさんにこんな姿見せたくないっ
止まってよ…
そらるさんが溢れ出す涙をそっと拭く。
そ「待っててくれてありがとう」
そうだ。僕が求めていたものはこの暖かさ。
この優しさ。
この笑顔。
そらるさん。
ま「お帰りなさいっ!……僕…寂しかった…寂しかったです…」
そらるさんがいなくなってすぐは
真実を受け止められなかった。
そして1日中泣いていた。
そ「ごめんな…もう離れないから」
そらるさんのその一言はとても安心する。
もう離れたくない。
ずっと一緒にいたい。
夕日はどんどんと沈んでゆく。
僕とそらるさんはそれを眺めていた。
ふわっと匂うあの甘い香り。
それは僕を安心させる。
そしてポツンと現れた星。
1つの星を見つけると
その周りにどんどんと沢山の星が現れる。
僕達は沢山話をした。
そらるさんのアメリカの話。
僕の高校の話。
そして病気が治られたお父様の話。
そ「ねぇまふ、ほら、綺麗だよ」
そらるさんが星空を指さす。
僕は思いっきり手を伸ばした。
届かないけれど、僕達だけをを大きく包む満点の星空。
また…こうしてこの空を見れたんだ。
そらるさんと一緒に。
初めて見た時と同じ。
そらるさんと僕を繋げてくれた。
そ「なぁまふ」
そらるさんが僕の手をギュッと握る。
今なら辛いことも乗り切っていける。
そう思えるから…僕はその手を握り返す。
ま「何ですか?」
僕はそらるさんの前では笑うと決めた。
だから微笑んでみせる。
そらるさんは少し真剣な顔をして、
そ「今なら言える。まふがずっと待っててくれたから、今こうして帰ってこれた。だから…ありがとう」
そらるさんの頬には1粒の涙がある。
でも笑っている。
そっか…そらるさんも待っていたんだ。
ま「はい!」
するとそらるさんが片足をつき、しゃがみ込む。
そして僕に手を伸ばす。
そ「俺で良ければ、お前を幸せにさせてください。俺と一緒に暮らそう、まふ」
満月の夜、そらるさんからのプロポーズ。
僕は上手く返事出来ないけれど
コクンと頷く。
嬉しくて、幸せで涙が溢れてきた。
するとそらるさんがふわっと包みこんでくれる。
そ「ありがとう」
神様はこの幸せを届けてくれたのかな。
僕の大切な人。
それは沢山いるかもしれないけれど
一番はそらるさんだって言いきれる。
これまでも、これからもずっと。
僕はこの人と共に人生を歩んでいきたい。
母さん、父さん、僕達は普通じゃない恋愛してるけど…許してくれる?
僕はこの人が一番大切だから。
この人が大好きだから。
僕達は満天の星空の中、キスを交わす。
ま「そらるさん」
そらるさんが「ん?」と首を傾げる。
ま「大好きです!」
あの星をもう1度…
end
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