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酒が進むと、まず最初に龍弥が潰れた。父親はザルなのに、どうやらこの兄弟はその遺伝子を引き継がなかったらしい。
「うぅー」
「龍弥、部屋で寝ろ。吐くなよ」
「いやら、兄さんと一緒がいい」
「兄ちゃんも今日はおまえの面倒見きれねぇって。おい成宮、こいつ連れてって」
「へーい。おい龍弥、自分で歩け。おまえは重すぎて担げねぇ」
「にいさぁぁああん」
普段は弟にべったりなはずの雅も、酒が回ったのかとろんとした目で俺にすり寄ってきて可愛い。
「蓬莱さんのくれたお酒、美味しくて飲みすぎちゃいました」
「もっと飲んでいいよ。雅くんの介抱ならいくらでもしてあげる」
「俺の家なんで、アンタの手はいりませんけどね」
「きみが下戸なら良かったのに」
「一緒に飲めるからいいんでしょう?」
俺と東雲が言い合っていると、雅が俺の頬に手を添えて、ねっとりとしたキスをしてきた。
「父さんばっかり見ないで......俺を見て、ね?」
「酔ってるのかい?可愛いなぁ......俺には雅くんしか見えてないよ」
「ほんと?だって最近父さんとばっかり会ってるでしょ。俺には飽きちゃったんじゃないの?」
いつもは酒を飲んでも酔わないようにセーブしていたはずの雅が、こんなに酔っぱらっているのは珍しい。可愛いのは大歓迎だが、隣でやれやれと溜め息をついている父親の方を横目で窺った。
「雅、おまえ龍弥が見たら泣くぞ」
「父さんは黙ってて。ねぇ、蓬莱さん、俺って魅力ない?ガキだから嫌い?」
今にも泣きそうな顔で見つめられて堪らない気持ちになる。これは本心なのか、酒に酔った戯れなのか......こんなに酔った雅を見るのは初めてで、どう対処したらいいのかわからずに戸惑ってしまう。
「蓬莱さんが戸惑ってる。俺のこと酒が弱くてめんどくさいって思ってるんでしょ、うぇーん」
本当に涙を流すから、本気で焦ってしまう。東雲を見ても、こんな酔い方をするのは初めて見ると同じく戸惑っていた。
「龍弥のやつ、ベッドに倒したら一瞬で爆睡......って、え、蓬莱さん、雅ちゃん泣かせたの?」
「いや、これはどうしたらいいもんかなぁ」
龍弥を寝かせて戻ってきた彰吾が、ぼろぼろ涙を溢す雅と俺を見て固まっていた。
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