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(閑話) 保護者面談
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失礼します。
このたびはうちの宰次が大変ご迷惑をおかけしまして……あっ、ハイ、失礼致します……。
芋瀬くん、その後の様子は如何ですか?……ほんとに、ああ、良かった……。申し訳ありません、本当に、ご迷惑をおかけして……。
はい、……ええ、ええ。そうなんです……。小さな頃からやんちゃな部分はありました。当時はまだ子供らしいもので、お友達もたくさんいたのでいわゆるガキ大将のような位置におりました。
そうですね……小学校の三、四年になった頃からでしょうか。どうにも仲の良かったお友達との喧嘩が多くなって、毎日のように怪我を作って帰ってくるようになりました。
元々我の強い性格で、言う事をきかせないと気が済まないタイプでしたので衝突も多かったのでしょう。ひどく負けず嫌いで、格好がつかないと思ったら我々にも何も話してくれません。それは今も変わらずです……もっと親子の会話を持つべきだとは思うのですが、どう接したら良いのか……。
……はい。喧嘩以外で素行が悪いという事はありませんでした。まっすぐ家に帰っては一人で黙々と勉強をして、ああ、体育や音楽、家庭科の練習もよくやっていました。ええそうなんです、とても負けず嫌いで。
勉強には真面目なのは良い事だと思っていたんです。でも、なまじ運動も出来て勉強の成績も良かったので、それですっかり自惚れてしまいまして……。小学五、六年にもなると、大人子供関係なく自分以外の人間を馬鹿にするようになってしまいました。こうなるといよいよ親の言う事など聞く耳なしで。自分で自分を褒めては自信満々といった様子で、どんどん独りよがりになってしまって。
そんな風だったので当然でしょうが、その頃には学校でもずっと一人でいたようです。これも勿論本人は話してくれませんでしたので、当時の担任の先生から随分後に伺いました。
意固地になればなるほどお友達は離れていくのに、今更引っ込みがつかなくなったのでしょうか。「俺は低レベルな人間とは馴れあわない」なんて言うようになって。……あらいやだ、まだそんな事を?申し訳ありません、生徒さん達もさぞ不愉快だったでしょう。またきつく言い聞かせますので……。
はぁ……。先生、うちの宰次は一体どうしたら素直になるのでしょうか。多感な時期とはいえ、あの子にどう言って聞かせたら人の気持ちを考えられるようになるのか、私には分からないんです。
……そうですよね……。あの子は一匹狼のつもりみたいですが、クラスのお友達と馴染めていない、というのが実際の所ですよね。お友達にこれ以上迷惑をかけないうちに、本当に、どうにかしたいのですけれど……。
あの、
親馬鹿と思われるかもしれませんが……宰次は性格こそあんな風ですが、察しは良い方だと思います。きっと自分の現状にも薄々気づいています。あっ、いえ!不真面目さを毛嫌いしておりますので、非行に走るなんて事はないと思います。ええ、それだけは信じています。
どうにかあの意固地さを、それだけを、どうにか改められないかと……。
はい、はい…そうですね……。はい……。なにとぞ、宜しくお願い致します。家でも言って聞かせますので……はい、宜しくお願い致します…………。
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