アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
1-15
-
川が流れる音、風で揺れる木々。
悠は、今夢の中にいた。
ーこの景色...見覚えがあるー
川の上流は、道幅が狭く、高い木々が連なっている。
そして岩や、大きな石が転々と転がっていた。
下流に行けば行くほど、道が開け、草木が沢山生えている。
そして、色とりどりのコスモスとツユクサが、川辺に咲き誇っていた。
ーここ...、そうだ。彼と出会った場所だー
14年前の夏、
悠がまだ6歳の頃。
当時、相澤家はイギリスで暮らしていた。
現地校の小学校に通っていた悠は、7月のサマーホリデー(夏休み)に入ったのをきっかけに、家族一同日本に一時帰国をし、母方の実家に里帰りした時である。
この頃の悠は、自分の容姿に疑問を抱き始めた時だった。
物心着いた時から、海外生活をしていた悠は、自分の目の色が、他と違うとは思ったことがない。
しかし、イギリスで出会った友人に「灰色の目を持った日本人なんているんだね!ハーフなの?」と聞かれたのがきっかけで考え始めるようになった。
案の定、日本に帰った時の帰国申請で、係員に怪訝な表情を向けられたのは、言うまでもない。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
17 / 30