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過去形 14
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俺は特に嫌がりもせずに、むしろ付けてくれる嬉しさを隠し、瞬の余計な一言にクスクスと笑った。
「バカは余計だよ、エリート」
「エリートだからちゃんと虫除けしただけだろ」
「そんなエリート関係なくね?」
「うっせ。……なあ、お前は付けなくていいの?オレも誰かに言い寄られるかもしれないぞ」
そんな事分かりきってる。だから、…。
「はっ。…もう数え切れない程付けてるだろ」
「……そうだった」
「ほら、起き上がって見せろよ。……俺のだって印」
俺にそう言われ、瞬は素直に俺の上で起き上がって、身体を見せてきた。
俺の手を掴み、瞬は俺が付けたキスマークの一つ一つを触らせる。
「……騎乗位してるみたいだな」
軽く俺が腰を振ると、瞬は顔を真っ赤にさせて声を小さくもらす。
「っん…、…うっせぇ、…この変態」
「そんな変態にこんなにキスマーク付けられるって、どんな気持ち?」
首元だけでも三個以上は付いているキスマークを触れながら、俺は瞬に問いかけた。
「嬉しいけど、なんだよ」
「嬉しいのかよ」
「そりゃあな。変態でも好きな人からだったら嬉しいだろ」
「……そうか」
俺は瞬の言葉が嬉しくて、思わず口元が緩まる。
高校三年のあの日、瞬に対して気持ちを言うのが遅くて後悔した。
でも、それでも瞬はそんな俺の気持ちに応えてくれた。
…それだけって言葉で表したらいけないほどの奇跡に、俺は幸せを感じる。
この幸せが永遠に続けばと、純粋に思う。
「大輝」
俺の名前を優しく呼ぶ瞬が、これから先、ずっと幸せだといい。
「好きだ」
「…俺も好きだよ」
互いに分かりきってる気持ちを教え合い、二人で笑い合う。
そんな未来がずっと続けばいいと、心からそう思う。
──end
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