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マイペース過ぎ 4
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恋愛、……素直になると良し。ね。
素直になった所で、振られるのは分かってるし。なるだけ無駄、ってやつかな。
そうネガティブに思ってから、俺は御籤を紐に結ぼうとしている広斗の背中に向かって声をかける。
「……ねえ。広斗の恋愛運はどうだった?」
俺の声に気づいた広斗は、一旦折った御籤を開き、恋愛運のところに目を通す。
「……多少マイペースでも良し、だって。……オレ、マイペース?」
俺にそう問いかけてきた広斗に少し驚き、俺は目を見開く。
「……もしかして、広斗ってマイペースだって自覚なしだった?」
俺の問いかけに広斗は首を傾げてから、首を縦に振る。
「え、……うん。……オレってマイペースだったの?」
「……うん。どちらかというと」
というか、結構。まあ、言っちゃえばそういう所も好きだから、マイペースじゃない広斗には違和感しかないだろうけど。
「……マイペースなの嫌い?」
「いや、好きだけど」
御籤を結びやすいように折りたたみながら、俺は広斗からの質問に対し、思わず何も考えないで答えてしまう。
そんな俺の一言に、広斗が黙りこくる。
そして、そっか、と小さく呟いてから、俺に背を向けて広斗は紐に御籤を結び始めた。
何となく気まづいまま、広斗の隣に行き、俺も自分の御籤を紐に結ぶ。
……やっばい。やばいやばい。
反射的に好きとか言っちゃった。変に思われてないといいけど……。
「……じゃあ、もう行こ」
と、そんな俺の心配も無駄かと言うほど、広斗はそれから特にいつもと変わらない様子のままで、二人で何気ない会話をしながら広斗の家へと向かった。
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