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僕じゃないから 2
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なんでこんな事を言っているのか、その理由はたった一つだった。
僕は知っていたんだ。僕達が付き合う前から、告白する前から、翔には僕じゃない好きな人がいるってこと。
でも、僕は…。その事を知っていたけど、告白して翔の好きな人の代わりにされている内に、翔が僕の事を好きになってくれるって期待してたんだ。
だけど…。
「…付き合う前から、僕には好きな人がいたの」
僕がそう言うと、翔の肩が少し動く。僕はその反応を見逃さず、ジッと見た。
そして、僕はまた確信する。ああ、やっぱりまだ翔はあの人の事が好きなんだなと。
だよね、そうだよね…。僕は絶対にあの人には勝てない。そう痛感させられる。
そんな僕の気持ちなんて知らない翔は、僕の気持ちをかき乱す。
「……じゃあどうして…。告白してきたのは秋なのに…」
「………翔は、その人の代わりだよ」
翔の言葉に冷たく言葉を返すと、翔は小さく声を漏らす。
これは翔と状況が同じ。好きな人と結ばれない事を理由に、好きでもない人と付き合う。
こう言えば、翔が本当のことを言ってくれるんじゃないかと思った。
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