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僕じゃないから 3
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翔は悲しい表情していて、でもどこか安堵しているような表情。
そんな複雑な感情が入混ざった難しい表情をしている。
「代わり、か……」
「うん」
そう、…僕は付き合った当初は翔が好きになってくれると期待してた。
だけど、それは僕の勘違いだった。
落としたガラスのコップのように、期待はガッシャーンと音を立ててバラバラに割れる。
付き合っていけばいくほど、翔の好きな人に勝てないことを痛感させられることしか無かった。
それが僕を何度も苦しめたんだ。
重たい空気の中、翔がゆっくりと口を開く。
「ごめんね、秋…。無理して俺なんかと付き合わせて……」
「心配しないで。…僕から告白したんだから。……翔は本当に僕の事を大切にしてくれてたって、思ってるから」
僕が優しくそう言うと翔は、か弱く笑う。僕も翔に合わせるように、笑った。
………翔は本当に僕のことを大切にしてくれた。
車が来ると、肩を抱いてくれたり本当に優しくしてくれたりとか。
…手は繋いだ、けどそれ以上のキスからは何もしてこなかった。
いや、出来なかったのかな。
僕がその重たい場から居なくなろうと立ち上がると、翔も立ち上がり、リビングから出て行こうとする僕の手首を掴んだ。
その瞬間、少しだけ期待した僕がいた。
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