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白雪と呼ばれている俺の好きな人 13
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何も言わず、ただ無言の時間が流れていた…。そんな時。突然、琥珀は声を上げて顔も勢い良くあげる。
「…あ!おい、光希!あのゲッ──んがっ」
「いっ……!」
その勢いに流石に避けられず、そのまま琥珀の頭が俺の顎に直撃。
琥珀は頭を、俺は顎を思い切りぶつけ、言葉では言い表せられないような激痛に俺と琥珀は、二人して声にならない声を出しながら痛みに苦しむ。
「こ、…琥珀……突然、頭あげ…ないでよ……」
ジワリと滲む視界の中、痛む顎を押さえながら、琥珀の様子を見た。
「…ご、ごめ……。…悪かった…」
琥珀は頭を押さえながら、身体を少し震わせていた。何気ないこのやり取りも何故か、嬉しくなってきた俺は、少し出た自分の涙を指で拭い琥珀の背中を撫でる。
「……琥珀、そろそろゲームしよっか」
「…おう」
顎と頭を痛めた原因の、本来の目的だったゲームをしようと、俺は声をかけた。俺の提案に、琥珀はいつものように無邪気に笑い返事をする。
俺達は何かを言うこともなく、全てが当たり前のように離れて、ソファにお互い腰掛けると、少し遅めの時間にゲームを始めた。
二人でゲームをしているという時間に、いつもと何も変わりはなくて、琥珀が子供のようにゲームを楽しんでる姿も特にこれといった変化はないまま。
変わったことと言えば、目が合えばお互い少し照れくさそうに笑うということ位になった。
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