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ぼやけ始めた頭でエリスは素直に頷いた。
そこには何の意図もなく、ただ純粋にそんな方法があるなら知りたいと思ったからだ。
だがアルベルトは違う。
彼は酒が回り始めたエリスの頭を一撫でして葡萄酒を口に含み、あたかも当然のように唇を重ねた。
「っ!?────ン、ンン…っ…」
割られた唇の隙間から彼の温度で生温くなった赤い液体が少しずつ流し込まれる。
それを喘ぐように少しずつ飲み込んだエリスの口内には酒の苦手な味が広がった。
だが先程よりもそれはほのかに甘味が増したように思える。
その理由が何なのかを理解する前に口移しの酒を全て飲み干したが、二人の唇は離れようとはしなかった。
────体が熱い。
初めて口にした酒は免疫のないエリスの身体には媚薬そのものだ。
アルベルトの肩に縋って酒の味が残る彼の唇を貪り舌をねっとり絡める。
少しザラザラする舌の表面を彼の舌先で撫でられればぞくりと背中が震え下半身が疼いた。
こんなに欲情したことはない。
「どうした?もう酔ったのか」
「あ…っ、アルベルト…様」
「キスだけで勃つなんて相当な淫乱だな?それとも酒が効いたのか…」
「あッ…、あぁっ…」
服の上から突立した熱の先端を指で軽く押し潰され、溢れた先走りがじわりと布地に滲む。
その濡れた布越しにアルベルトの手がエリスの形をなぞるように添えられた。
「熱いな…」
「アルベルトっ、様…、ベッドへ…」
「なぜだ?」
「私を早く、あなたのものにして下さい…」
悦ばせる術は知っている。
そしてアルベルトが何を求め、どうしたいのかも。
エリスは指先を彼の首筋から鎖骨へと滑らせて妖艶に誘った。
だがアルベルトはなぜかソファーから動く気配を見せない。
それを疑問に思い彼の様子を伺っていると、アルベルトは不意に笑みを零した。
「俺が何度ベッドで殺されかけたか教えてやろうか?」
「…っ!?」
目を見張るほど端麗で嫌味な笑み。
それだけでアルベルトの胸中がエリスに伝わった。自分はやはり疑われているのだと…。
「あなたは…私をどうしたいのですか?」
「──手に入れたい。お前の心も身体も、そして命さえも俺のものにしたい」
「では……そうして下さい」
異様なまでの執着心と疑念。
アルベルトが本当に欲しいものは身体を重ねただけでは手に入らない。
だがそれはエリスにとっても言える事だった。
どんな命令だろうと彼に身を委ねる。
エリスはそう覚悟を決め、彼の口から発せられる最初の命令を静かに待った。
「だったら…そうだな。疼いてるんだろう?自分で慰めてみろ」
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