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アルベルトの胸板がエリスの背中に密着する。
ここまで彼の肌が触れたのは初めてなせいか、心なしかエリスは少し緊張した。
だがやる事は同じ。今までの奴らと何ら変わりない。、
「"俺が分からない"と言ったな?」
「──え?」
「それは俺も同じだ。お前の事が分からない。だから…知りたいと思う。」
アルベルトが語りだしたのは見せかけの優しさでも情欲でもない、エリス自身に対する率直な想いだった。
それがエリスにはどうしても理解できない。
なぜ自分を知りたいのか。知ってどうなる。
だがすぐにそれは"正体を明かせ"と言う意味の言葉だと判断し、エリスは警戒を強めた。
「私が知りたいのなら…まずは身体を知って下さい。そうすれば自ずと他の事も見えてくるかと」
「そんな見せかけの服従になど興味はない。俺が知りたいのは…例えばお前が生まれ育った町の事。どんな子供だったか、何をして遊んだのか…そういう事柄だ」
「っ……」
エリスは顔を歪め、口を閉ざす。
この質問は彼にとってあまりにも残酷すぎた。
「どうした。なぜ何も話さない?」
「……話せないからです」
「話せない?あいつには"幼い頃母親を亡くした"と話しただろう?」
「!エドさんに聞いたんですか…。でしたらそれが私の全てです。他に話す事など──」
「"エドさん"だと…?お前、いつからあいつを愛称で呼ぶようになった…!」
「っ…!」
突然声を荒げたかと思うとアルベルトはエリスの髪を鷲掴みにし、無理矢理彼の顔を自分の方へ振り向かせた。
落ち着いているかと思えば次の瞬間には怒りを表す。
そんな身勝手で気まぐれな彼を睨みつけ、エリスはピリッと頭に走る痛みで顔を歪める。
「さっき中庭で…っ、話の流れでそう呼べと」
「……あいつが?」
引き攣る痛みは止むことなくピリピリと頭を痛めつけ、それに耐え兼ねたエリスが手を振り払おうとした時、アルベルトの顔が直視できない程ぐっと近付いた。
「っふ……、ぅ……ンっ、んん…ッ…!」
噛み付くような乱暴な唇がエリスの口を塞ぎ、押し入るアルベルトの舌が彼の言葉を奪う。
戸惑うエリスの舌を絡め取りクチュクチュとくぐもった水音を口内に響かせエリスの思考を蕩かせた。
「どうした、キスだけで感じてるのか?」
「っ……アルベルト…様」
「欲しいか?……俺が」
「…はい」
目元を赤らめ、エメラルドの瞳が情欲で揺らめきながらアルベルトを見つめる。
しかし欲しているのはエリスだけではない、アルベルトも同じだ。
だが彼の欲は性的なものだけではなかった。
相手の身も心もを完全に支配し、征服する。
それが叶った時の満たされた気分は何事にも替え難いものがあった。
しかしそうなってしまえばアルベルトの興味は失せてしまい、翌日にはもう次へと移っている。
「俺もだ……早くお前が欲しい。だがそれはお前次第だ、エリス」
自分の事を良く知り得ているからこそアルベルトは容易には手を出せずにいた。
エリスを試し、自分を試す。
それは彼をずっと手元に置いておきたいと考えるからこその行動だ。
「アル…っあ、ん…ッ」
「早く本当のお前を見せてくれ。俺を完全に信用させる事ができれば、その時はお前を抱いてやる。」
エリスの首筋に這わせた舌が上へと登り、柔らかい耳朶を食む。
その傍ら空いている手は胸の飾りを弄びエリスの身体を更に火照らせた。
「……っ……アルベルト、様…」
欲を昂ぶらせて突立したエリスの陰茎にアルベルトの手が伸びると、エリスも後ろ手で彼のモノを握る。
脈動して固くなっていた欲望にぞくりと腰を震わせ、エリスは自分の後孔にそれを誘い先端を宛てがって彼を誘惑した。
「っ……駄目だと言ってるだろう?」
「でも…っ、どうしてもあなたが欲しい…。欲しいんです…ッ」
二人の思惑は違う。
これは互いにとって虚勢を張った勝負だ。
どちらが先に落ちるのか、それで全てが決まる。
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