アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
6
-
純粋な疑問とは、例え本人にその気はないにしろ時として誰かを傷付け戒める事がある。
「あなたにだって……触れられたくない事くらいあるだろ…?」
「…っ!」
「オレなんかを庇ったからあの人は……、オレが殺したようなものなんだっ…!」
物心が付いた頃から両親や身内のいなかったエリスは奴隷として仕え、暗い幼少期を送っていた。
そんなエリスを闇の淵から救い出したのがエルダだった。
「……分かった、もういい。もう何も聞かない」
────俺はこいつの傷を抉ったのか。
無力な自分に対する苛立ちと嘆き。
エリスのそんな想いが伝わり、アルベルトはやっと理解して胸を小さく痛めた。
自分にもそんな経験がある。
彼はたがが外れたように自分を言葉で戒めるエリスを宥めようとしたが、その行き場のない怒りの矛先はアルベルトへと向いた。
「どうして?あなたは聞きたかったんでしょう?」
「エリス…」
「同情した?それともオレが無能だって今更気付いた?」
「そうじゃない。俺は…お前の事が知りたかっただけだ。苦しめるつもりはない」
「そう。だったらこれで満足?それともまだ他に──っ!?やめろっ、嫌だ…!あなたとはしたくない!!」
腰を引き寄せたアルベルトの熱が疼く敏感な入り口に宛てがわれ、エリスは彼の手から逃れようと身を捩る。
しかし自分よりも逞しく鍛え上げられたその腕からは逃れられるはずもなく、アルベルトは益々彼の身体をきつく引き寄せた。
「俺を拒むな。…エリス、頼むから」
「っ……」
切なげに眉を下げるアルベルトに一瞬心が揺れる。
いつも強気で傲慢な彼が"抱かせてくれ"と悲願している。
初めて見せた彼の意外な表情にエリスの強張っていた身体から少し力が抜いた。
その隙を突いてアルベルトは媚薬が回りきったエリスの中に固く反るモノをぐっと沈めた。
「んッ…!あぁ…っ!!」
「っ……エリス…」
「動…く、な…!イヤ…っ、イヤだ…!あッ…!」
「一度出しておくか?随分と我慢させたから辛いだろ」
「やッ!ダメ!触ったらすぐッ、あっ、あぁっ…!!」
アルベルトが手で軽く2、3度扱いただけで限界まで張り詰めていたエリスの陰茎は溜まり込んでいた熱を敢えなく吐き出した。
散々弄ばれた事を自覚させるように濃い白濁が勢い良く何度も迸りエリスの脳に快楽を伝える。
その最中にいるエリスは吐精するたび無意識に繋がりを締め付け、熱い柔壁に煽られたアルベルトのモノが中で質量を増す。
「動くぞ…」
「ん…ッふ…ぁ…!まだ…まだダメ…っ!あっ、や…だ…っ!」
「これ以上待てない…っ」
エリスの吐精後の微睡みも収まらぬ内にアルベルトは埋めた自身で彼の中を擦り始めた。
するとエリスは身体の内側が焼け付くような熱に見舞われ、果てたばかりにも関わらず芯に小さな炎がくすぶる。
媚薬のせいだろうか。彼はこれほどまでに身を焦がすような感覚を味わった事が無い。
「エリス、俺を見ろ」
「……ッ」
身体を繋げても顔を背けてこちらを見ようとしないエリスの顎を掴み、アルベルトは無理矢理自分の方を向かせようとした。
────ただ、彼の瞳に映りたい。
アルベルトの純粋で単純なその願いは今のエリスに届くはずも無く、やがてそれは痛みへと変貌を遂げる。
「──ッ!!」
自分に触れるその手に歯を立て、エリスは彼の秘めた想いすら拒んだ。
反射的に引いたアルベルトの指からはポタリと雫が落ち、その赤い体液はエリスの汗ばんだ白い肌を鮮やかに彩る。
「…そんなに俺が嫌いか?」
「んッ、は…っ、嫌、い…」
「そうか……。だが俺はお前が愛おしい──」
「──っあ…!あぁッん…!や…ッ、あっあぁッ…!!」
まだ固いエリスの中をゆっくり解すように大きく動いていたアルベルトの腰が突然深い所を突く。
──まだ足りない。もっと深く。
アルベルトの動きはそう告げているかのように強く激しく何度も肌を打ち付ける。
「お前が欲しい」
「ずっとこうしたかった」
「気持ちいいか?」
耳元で何度もそう囁かれる内にエリスの頭と身体が快楽に溶け出す。
「ぅ、あ…っ、イイ…、前、触って……ッ、あぁっ!」
「焦れてきたか?自分じゃ触れないもんな」
「っ…!いいから…っ、早く扱けよッ…!苦し…っ」
「俺の方を見たら扱いてやるよ」
その言葉でアルベルトはやっと彼の瞳に映る事ができた。
淫らに揺らめく鮮やかな色。
自分を見るエリスを支配しているのが欲情だけだとしても今はこれでいい。
扱き出した途端きつく締め付ける粘膜の壁を押し広げ、アルベルトは限界まで膨れ上がった自身でエリスの敏感な場所を抉るように突き上げる。
「このまま中に、出すぞ…ッ」
「んッ、出し、て…!あッあッ!イク……!また出ちゃ……ッ!!」
「エリ……、エリ…っ!」
エリスが果てる寸前、アルベルトは彼をきつく抱き締め切なく掠れた声でエリスを呼んだ。
それは今までに一度も呼ばれた事のない愛称で、エリスは胸の奥を擽られながら不意に締められ息苦しさも感じる。
二度目の絶頂を迎えて中に熱を吐き出され、やっと拘束を解かれたエリスは力無くアルベルトの腕の中に収まり先程感じた不可解な感情の行方をぼんやり追う。
あれは何だったんだろう?
しかし届きそうな所でまんまと逃げられて結局は何も分からなかった。
「エリ」
「っ……!その呼び方はお止め下さい」
「理由は?」
「変な感じがして…。誰にもそんな呼び方をされた事がありませんから聞き慣れないんです」
「だったら慣れろ。これからはお前をそう呼ぶ。…気に入ったんだ」
「私は気に入りません。それに……いつになったら離して頂けますか?」
「…離すつもりはない。これからもずっとな」
「っ…!?そういう意味では……っ、湯浴みをしたいだけです!」
「っくくく、分かっている。そろそろエドが着替えを持って様子を覗いに来るだろうからな。それまでもう少しこのまま────。」
"お前に触れていたい"
アルベルトの唇は確かにそう動いていた。
だがその言葉は声にならず、背後から抱えられているエリスの目には映らなかった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
23 / 79