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「これ以上はダメだ。抑えが利かなくなる」
「アル……」
「ダメだ。医者が言っていただろ?二、三日は安静にしてろって。…もっと早くお前を見つけ出していれば……っ、辛い思いをさせて悪かった」
自分に向き直ったエリスを抱きしめるアルベルトの腕には苦しいくらいに悔しさと愛おしさが溢れていた。
初めて手にした大切なもの。
アルベルトはそれを自らの手で壊そうとし、粗雑に扱ったから奪われた。
これはそんな自分に対する罰ではないのか。
そんな風にさえ考えたアルベルトは今、これ以上エリスに触れれば今度こそ奪われてしまうと恐れていた。
「──っ!?エリ…っ、なにを…!?」
気を抜いていたアルベルトの視界は突如反転し、気が付けば天井を背にしたエリスの姿が真上にある。
「あなたに抱かれない私に一体何の価値が?」
「っ、違う…!俺はもうお前をそんな風には扱わない…!」
「だったら……あなたにとって私は何なのですか?」
「っ……」
エリスのその問いかけに答える事ができず、アルベルトは何も言えなかった。
エリスは男だ。子供を産むことの出来ない彼は側室でもなければ正室にもなれない。
唯一エリスにできるのはこの身を捧げて奉仕する事。
彼は誰よりもその現実を理解している。
「っ…エリ……ッ、しなくていい…!」
アルベルトの鎖骨を舌でなぞり、それは徐々に下がって彼の腹部へと到達する。
それを止めさせようとすれば痛々しい傷痕の残る手で拒まれ強くは止められない。
「どうして…?あなただってこんなになってるのに…」
「っ……!」
エリスの手がアルベルトの突立しかけた熱にそっと触れればそこは素直にピクリと反応を示す。
いくら心では否定していても身体はエリスを求めている。
その事実がアルベルトを複雑な心境へと追いやった。
「ん…ぁ…っ、ンン……っ」
「エリ…っ」
取り出したアルベルトの雄芯を左手で焦らし、たっぷりと唾液で濡らした右手の指を自分の窄まりへ沈める。
じっくり、しかし性急に自分の柔壁を解せば、廃屋で男達に受けた乱暴の傷がジリッと焼けるように痛みエリスは少し顔を歪ませた。
「お前に無理をさせたくない」
「…、平気。だから…ね?」
「ダメだ、これ以上は…!何をそんなに焦っている!?」
残った理性を振り絞りアルベルトは上体を起こして今度こそエリスの動きを止めた。
だがその直後、エリスはアルベルトの胸をトンッと押して再び彼を仰向けに倒し、彼の上に跨ると背筋を正す。
彼を見下ろすエメラルドの瞳は妖しげに輝き、頬を紅潮させて口元は妖艶な微笑みを浮かべた。
「──なぁ…、オレが欲しいんだろう?」
そんな今の彼はこれまでに見てきたどの女よりも美しく、したたかで妖艶。
青い炎を灯したその瞳はアルベルトに逆らうことを許さなかった。
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