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「次はあれだ」
「まだ食べるの!?よくそんなに入るね…」
「お前が食べなさすぎるんだよ。だからこんなに痩せてるんだ」
「ちょッ、人前で触らないでったら…!」
ごく自然に腰を抱き寄せたアルベルトの手を払ってエリスは周りに目を遣る。
いくつかの屋台を渡り歩いて彼の空腹はすっかり満たされたが、アルベルトはまだ食べ歩くつもりらしい。
先程買った噛じりかけの果物を片手に、エリスの慌てぶりを見てニヤリと笑った。
「だったら、人目がなければ外でもいいんだな?」
「え……?うわっ!急に引っ張らないでよ!」
アルベルトは掴んだ手をぐいぐいと引き、露店の間を潜って路地に入るとエリスを壁に押し付けた。
「!……ッむ……、……ん……っ」
乱暴に重なる唇は貪るように啄み口内に果実の甘みが広がる。
最初は抵抗していたエリスも彼のペースにはまり、その甘い蜜を啜り上げ舌を絡めていった。
するとその時、彼らのいる路地に面した通りを数人の男女が騒々しく通り抜けていく。
「っ!?あれって…」
「…………」
二人は先頭を走る女性が複数の男に追われているのを見て大体の事情を察する。暴行目的だろう。
(アル……どうするんだろう?ここで出しゃばって皇子だって事がばれれば後々面倒だし…)
厄介事が嫌いなアルベルトの性格を知り得ているエリスはひとまず彼の様子を窺った。
最悪の場合、彼を別の場所に移動させて単身で助けに行く事もできる。
だがアルベルトの下した決断は予想に反した。
「────エリ。多少荒っぽい男は好みか?」
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