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「…………」
────お前に任務を言い渡す。
何でもないと思っていた。
誰かに抱かれることも命を奪うことも…。
体は熱くなっても心は冷めたまま。
首筋に顔を埋めるのは好きあらば牙を立てる為。
もう何度も同じ事をこなしてきたエリスだったが、今回ばかりは違った。
「────飽きたの…?オレに」
「"飽きた"…?」
「出ていけって言うんでしょ…。他の奴に興味を持った?それともオレが面倒になった?…どっちだっていい。でも最後に……もう一度抱いてよ。いいでしょ?」
「っ!エリ…、最後まで話を…!」
「駄目。待てない────」
エリスの伸ばした手はアルベルトの胸ぐらを強く引き寄せ、アルベルトは半分倒れながらも口付けを受けた。
まだ熱っぽいエリスの唇は貪るように彼から言葉を奪い、息付く暇もないほど深く求め口端から唾液を零す。
「ン…っ、待て、エリ……!俺の話をッ」
「聞きたくない…!!あなたの口から別れの言葉なんか…っ…聞きたくないんだ…」
「っ!エリ……」
「お願い……言わないで。分かってるから……」
痛みに胸が引き裂かれ息が詰まる。
それでもエリスは彼に微笑んでみせた。
そんな精一杯の強がりはアルベルトへと伝わり、彼は優しくエリスの頬を撫でて今度は優しいキスを落とす。
身も心も甘く溶けてしまいそうなアルベルトの舌を絡め、エリスは不意に"このまま消えてしまいたい"とさえ思った。
────だが頭の中ではどうすべきなのかちゃんと解っている。
(嫌だ……。こんなの嫌だ……っ)
アルベルトの首に縋り付く左腕とは正反対にエリスの右手はベッドの頭上の隙間に手を伸ばし、冷たいその金属に指を絡めた。
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