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「どうした。寂しくなったか?」
「……うん」
いつどんな時も、素直にいられたらどれ程良いだろう。
しかし今のエリスには嘘を吐くことしかできない。
自分の置かれたそんな立場を嘲笑い、彼は今にも泣き出してしまいそうな笑みを見せた。
だが、それに気づかない程アルベルトは鈍感ではない。
「何があった?話してみろ」
「……アル。オレ…、あなたとずっと一緒にいたい。オレのものになってくれる…?」
「分かっているだろう?俺の心はとっくにお前のものだ。それなのに今更何を言っている?」
ベッドに腰かけ、儚く微笑むエリスに手を伸ばしたアルベルトは急にして視界が反転し、自分がベッドに押し倒されたと気付くとクスッと笑いエリスを見上げた。
「なぁ、本当にどうした?夜まで待てないのか?」
「……。オレ達にはもう、そんな時間は残されていないんだ──」
「ッ──!!エリ…っ、どうして…!?」
寸での所では腕を掴まれ、冷たく鋭く光るナイフの先が二人の間で止まる。
それを与えられたのはアルベルトの命を奪う為。全てはローマを統一させる為だ。
しかし今のエリスにとってその行為は、"一人の男を自分のものにしたい"という独占欲からきたものだった。
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