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昼休み。
俺は一年生の教室に来ていた。
一年四組。鈴原が毎日通っている教室だ。
しかし、鈴原に会いに来たのではない。
目的の男は、金髪で目立つから、すぐに見つけることができた。
教室の中には入りたくないし、大声を出したくもない俺は、入り口付近にいる生徒に声をかける。
「なあ。悪いけど、立花呼んでくれねえ?」
「え?......ってえええ!?ひっ、日比谷先輩!?」
俺が声をかけた男子は、俺の顔を見るなり大声をあげる。
鈴原のクラスに俺が来たら、騒ぎになるのはわかっていたことだ。なぜなら鈴原は、俺たちの関係を公言しているから。
だから来たくなかったんだ......。
さっさと立花に委員会のプリントを渡して帰ろうと思い、もう一度その男に頼む。
「立花を......」
「玲なら、さっき購買行きましたよ!」
「いや、鈴原じゃなくて立花を呼んで欲しいんだけど......」
「もうちょっとで帰って来ると思うんですけど」
「だから立花.....」
駄目だこいつ。ばかだ。
俺が何度も立花を呼んで欲しいと言っても、まるで聞いてない。思い込みが激し過ぎる。
「俺、玲の友達なんですけど。玲ったら、いっつも陽先輩のこと可愛い可愛いって言ってるんですよー。聞いてるこっちが恥ずかしいくらいです」
「......」
にこにこ話すこの男は、いらない情報をくれる。
友達になんてこと言ってるんだ、あのばか。
バカの友達はバカかよ。ほんとしょうもねえ。
......それに顔を赤くする俺が一番バカだけど。
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