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早退、と言っていたのに、鈴原が向かったのは保健室だった。
保健室まで無理やり連れて行かれると、ちょうど中から養護教諭が出てくる。
「あらっ、鈴原くん。どうしたの?」
「ちょっと具合が悪くて......」
「そうなの?困ったわぁ。先生、今から放課後まで用事があって、保健室閉めなきゃならないのよ。もし、具合が悪いんなら、今日はもう早退した方が......」
そういえば、今日は養護教諭が午後から出張だから具合が悪くなったら職員室に来いと、SHRで言われたのを思い出す。
これならば、鈴原も諦めるだろうと思ったが、俺はこいつを甘く見ていた。
立花に早退すると言ったのは、それをきちんと把握していたからだったのだ。
「少し眠れば治ると思うんです。鍵はちゃんとしますから、少しだけ駄目ですか......?」
あの爽やか王子に少し弱った感じがプラスされて、これで落ちない女はいない(教師として失格だとは思うけど)。
普段のドS変態ぶりで、イケメンだということを忘れそうになるが、こいつの顔は相当良い方なのだ。
案の定、顔を赤らめた先生は、了承した。
「わかったわ。特別なんだからね?他の人には秘密よ?」
「はい。ありがとうございます」
そうして俺たちは無事に保健室へと足を入れた。
いや、無事にじゃない。断じて無事じゃない。
だって、保健室に入った瞬間に内鍵を締めた鈴原の顔は、黒笑顔に変わっていたんだから。
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