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腰の痛みもだいぶ良くなり、放課後。
「陽ちゃん、一緒に帰ろうぜ〜」
後ろから抱きついてきたのは翔平だった。
昨日のことがあっても今日の翔平はいつも通りだったので、密かに安堵した。
「悪い。今日も帰れねえ」
「え、何で?また鈴原?」
あからさまに嫌そうな顔を見せる翔平の額にデコピンをかます。
「いてっ」
「あほ。呼び出しだよ」
鈴原は昨日言った「もうしない」を守ったようで、今日の呼び出しは三人から。
しかも全員、放課後校舎裏を指定してきた。
「そんぐらい待ってるし。てかむしろ一緒に行く」
「何でだよ」
「また鈴原みたいな悪い虫がついたらたまったもんじゃない」
「あんなやつそう簡単にいないだろ」
「でも、」
意地でも食い下がろうとしない翔平の頭に手をのせて、くしゃくしゃにする。
「いいから。金曜日は弟を幼稚園に迎えに行く日だろ?」
「う......ん。.......わかった。じゃあまたね、陽ちゃん」
「ああ。またな」
やっと大人しくなった翔平は、自分の頭を押さえて、教室を後にする。
それを見送ってから、俺も荷物を整えて校舎裏へ向かった。
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