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83/鈴原玲side
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駅から徒歩十分、住宅街の中の一戸建て。
そこに、岡本先輩と支倉先輩を招いた。
というか強引について来られた。
「立派な家だな」
食卓テーブルにコーヒーを四つ置くと、座っている支倉先輩が感心したように言った。
「親が社長なので......」
俺も席に着くと、岡本先輩が口を開く。
「それで?どういうこと?」
岡本先輩の視線は真希さんに向いている。
真希さんはちょっと焦ったように俺を見る。
「あー......この人は従姉弟の真希さんです」
俺のではなくて、陽先輩の従姉弟。
それは言わなかった。
すると、岡本先輩がさらに尋ねてくる。
「苗字は?」
「えっと......」
苗字は言えない。言いたくない。
「鈴原くんさぁ。全部話してくれね?」
「なんのことですか」
隠し事を悟られないように、平然を装う。
前までは俺の方が優勢だったのに、今は岡本先輩の方が強い。
岡本先輩にどんな心境の変化があったのか知らないが、これは厄介だ。
「鈴原くんが陽ちゃんに隠してること全部、教えてよ」
前から思ってはいたけど、この人は鋭い。
「頭は悪いのに......」
そう呟けば、支倉先輩がぷっと吹き出す。
それを横目で睨みつけ、また俺を見る。
「たしかに勉強はできないけど、そういうのはわかるんだよ」
真っ直ぐ見つめてくる瞳からは、これ以上逃れられなかった。
「......陽先輩に言わないでもらえますか?」
「それが条件?」
その言葉に頷くと、岡本先輩はため息を一つ吐く。
「......いいよ。言わないどいてあげる」
その言葉を確認して、俺は隠し事を話し始めた。
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