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「ねー晩里~」
「何ですか」
「俺ごと掃除機で吸わないで服脱いで洗濯すればいい話じゃないの?」
一旦服を着替えた後、俺は食堂に下りてきて掃除を手伝わされていた。
シャワーを浴びて身体を洗い流すと脳内を占領していた快楽も一緒に流されて、空いたスペースには羞恥がドーンと居座っている。
恥ずかしいからといってこのまま何も言わないで、さっきの出来事を受け入れたと解釈されてはたまらないからきっぱり拒否しなければ。
当事者の晩里は何事もなかったかのように淡々と作業を進めているるから何を考えているのかわからない。
「これは罰則です。こうでもしないと貴方がベッドで物を食べる癖は直らないでしょう」
「罰って言えば何をしてもいいと思ってない?」
そもそもピカピカに磨きあげられている窓を拭けと言われてもやる気が出ないから、手でペタペタやってるといい具合に指紋がついてきた。
「……罰則を増やしましょうか?」
「横暴なんだから」
せっかく拵えた芸術作品は晩里の手で一瞬にして拭き取られてしまった。
頬っぺたをピタッとくっつけると窓ガラスの冷たさが移動してきて気持ちいい。
「貴方が悪いんですよ。禁止されている事をしたのだから」
「禁止って言ったってさー、晩里が虫嫌いなだけじゃんー。ただの私怨じゃんー」
「何か言いました?」
床に掃除機を掛けようとしていた晩里が先を外した筒を耳に押し当ててきて、身体がビクッと跳ねる。
「罰としてこれから1ヶ月間部屋でお菓子を食べる事を禁止します」
「えーっ。俺だけ罰ゲーム多すぎじゃない? それにお菓子禁止とか無理~」
「食べるなと言っているわけではないのですよ。お菓子を食べる時には食堂を使えばいいのです」
「えー」
お菓子は部屋でゴロゴロしながら食べるんだから美味しいんだ。
食堂でお行儀よく座って食べても楽しくない。
「禁を破ったら……分かってますね?」
晩里の手が掃除機の持ち手に掛かったのを見てあわててブンブン頷いた。
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