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晩里のうどんで空腹は治まったけど、しょっぱいものを食べたら今度は甘いのが欲しくなってくる。
晩里に没収されたお菓子が入っている引き出しからチョコレートを取り出して食べていると、食器を洗い終えた1年生が戻って来た。
「終わりました、先輩」
「ありがと~」
食器洗いのお礼にチョコレートを分けてあげると、長身を折り畳んで丁寧にお礼を言われた。
話していても礼儀正しいし、俺の分の洗い物も当然のようにやってくれるから、後輩がいるっていいなと思う。
徹底的にキレイ好きな寮長のいる第5寮に入っている学生は、どちらかというと真面目でお堅いタイプが多い。
いつもつるんでいた友人たちは誰ひとりとして第5寮に来なかったから、寮の中で晩里以外と過ごすのはなかなか新鮮でちょっと嬉しかった。
「先輩チョコ好きなんですか?」
「うん、好きだよー」
「俺の部屋に部活の差し入れで貰ったチョコがあるんですけど、よかったら食べませんか?」
「いいの?」
「はい。俺一人では食べきれないんで」
へ~。
向かい合ってお茶を啜る顔からは、失礼ながらそんなにモテるようなオーラは発されていない。
いかにもスポーツ少年ですといった朴訥としたビジュアルに飾り気は全くといって存在しない。
やっぱ背の高さかな~?
「じゃあ、後で部屋行くよー」
食べきれないほどチョコを貰う後輩から、うまくすればチョコをくれる女の子も紹介して貰えるかもしれない。
今からお風呂に入るというので11時に部屋へ行く約束をして自分の部屋に戻った。
――コンコンコンッ。
どこからかノックの音が聞こえるけど体がどうにもダルくて動けない。
ん?
ここどこだっけ?
備品のリネンは各部屋共通だけど自分の部屋と何だか雰囲気が違うというのだけは辛うじて認識できた。
「おはようございます」
聞き覚えのある声が耳に届いて起き上がろうとするんだけど、何故だか身体が持ち上がらない。
金縛り?
霊感なんて全くないけど、身体の自由が奪われたこの状況は話に聞いたことのある金縛りそのものだ。
唯一自由に動く腕をがむしゃらに振り回すと何かに当たった。
「?!」
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