アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3-4
-
可哀想に、寝起きで何もわからないまま晩里に叱られた1年生は口をポカンと開けてベッドに座り込んでいる。
「お前何で裸なの?」
「え、あ、俺いつも寝るとき裸です」
「マジでっ」
「けっこう気持ちいいんですよ」
「へー、俺も裸で寝よっかな」
別に無視しているわけではないのだけど、お怒りの寮長をそっちのけで平和に話している姿が晩里の何かに火を点けてしまったようで雷が落ちた。
「聞こえなかったんですか! 私は着ているものを脱いで風呂へ行けと言ったんですよ」
1年生は、今度こそ完全に目が覚めたのかパジャマのズボンとパンツを重ねて脱ぎ捨てて脱兎のごとく部屋を飛び出していった。
俺も後輩に倣って服を脱ごうとすると、晩里にその手を止められた。
「誰が脱げと言いましたか」
てっきり2人纏めて全裸で全力疾走の刑かと思ったら、1年生だけらしい。
「貴方は別メニューです」
仏頂面で「そこから動くんじゃありませんよ」と言い残して晩里は部屋から出ていった。
うわー。
これ、いつものやつだ。
全裸でダッシュよりも晩里の掃除機の方が1000倍恐ろしい。
こうなれば、さっさと服を脱ぎ捨てて風呂場に逃げ込んでしまうに限る。
パジャマのシャツはボタンを外す手間も惜しいのでそのままスポッと脱いで、ズボンも床に放り出した。
パンツは……やめとこ……。
浴室は同じ1階にあるからすぐそこだけど、1年生のように完全な全裸で出ていく勇気はない。
急がなきゃ!
晩里が戻ってきてしまったらおしまいだ。
バンッ。
覚悟を決めて押したドアの外に一瞬覗いた顔の恐ろしさに、次の瞬間には扉を閉ざしていた。
力比べでは勝ち目がない。
絶対に開けるまいと思った扉は易々と開かれてしまった。
「……晩里……」
悪い予感は見事的中して、戻ってきた晩里は掃除機を伴っていた。
「何処へ行くつもりですか」
ひぃっ!!
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
24 / 111