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1年生がランドリールームに洗濯物を持っていくと晩里は俺を2階へと連行した。
左手で掃除機をガラガラと引いて、右手は逃げられないようにガッチリと手首を掴んでいる。
さっきまで熱くなっていた身体はすっかり冷えてしまったから、晩里の手の熱さがダイレクトに伝わってくる。
燃えるように熱い掌、それすなわち晩里の怒りだ。
逃げよう!!
部屋に入れられてしまったらそれこそ何をされるかわからない。
そうなる前に何としてでも逃げなければ!
この間学校で開かれた武道の体験会で護身術の手解きを受けた時の記憶を引っ張り出す。
今みたいに手首を掴まれた時の対処法も実演していた。
確かあの時は……?
腕を捻って抜いていた気がするけど、どっちに回すんだったか思い出せない。
それより、膝で相手の急所を蹴って怯んだところを全力で逃げる方が確実かもしれない。
でも……。
結局なにひとつ行動に移せないまま晩里の部屋に着いてしまった。
「やり過ぎました」
「え?」
部屋に入るとすぐ晩里は手を放して俺を自由にしてくれた。
せっかく逃げる大チャンスだったのに晩里が深々と頭を下げるから気力を削がれてしまってそのタイミングを完璧に見失った。
「痛く……ないですか?」
半袖のTシャツから出ている部分にも掃除機の吸い口の形にくっきりと付いた紅い印がある。
見るに耐えないその皮膚を晩里の細い指がなぞるのを見ていると悪戯心が芽生えた。
「痛い……もう駄目かも」
わざと大げさに顔をしかめてみせる。
ほんとうは殆んど痛くなんかないけど、晩里を心配させたくて、あわよくば甘やかして欲しかった。
「ごめんなさい、望夢」
「こちらへ……」
晩里は心底申し訳ないという顔で頭を下げると、俺の身体を支えてベッドに腰掛けさせてくれた。
「痛みますか?」
「ここ、痛い……」
訴えかけるような目の演技はよくできていたみたいだ。
ひときわ派手な紅に色付いたところを指差すと晩里は労るようにそっと撫でてくれた。
「ごめんなさい……」
こんなにしおらしい晩里を見るのは初めてだし、こんなに丁重に扱われるのも勿論初めてで何だかソワソワする。
二の腕や太股の内側など、皮膚が薄くて軟らかいところを集中してやられたからなかなか赤みが消えない。
特に二の腕は何度も吸い付けては離すことをしつこく繰り返され、紅い花が咲いたようになっている。
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