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危ない第2寮-1
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望夢が帰って来ない。
「ゼミの先輩に第2寮で闇鍋パーティーするからおいでって言われた」
だから今日はご飯要らない、と言って出掛けていったのは夕方の5時頃だった。
闇鍋パーティーとやらが何時間かかるか知らないが、こんなに遅くなるものなのか。
やきもきしている俺を尻目に、時計の針はついに3本纏めて頂上を指すに至った。
以前に友人の部屋に泊まりに行って1週間ほど帰って来ないという事はあった。
だけど付き合い出してからというもの、夜は一緒に眠る事がほとんどで、無断外泊なんて日は一度たりともなかった。
電話をしても出ないし、メールも返ってこない。
望夢にも友達付き合いはあるだろうから、あまりうるさい事は言いたくない。
だけど連絡ぐらいは寄越してくれないと心配で心配で仕方ないのだ。
碌に眠れないまま時間だけが過ぎ、ついには朝を迎えるに至った。
それでもまだ連絡は付かず、夜になってやっと望夢から電話が掛かって来た。
「あのねー、昨日は第2寮の先輩の部屋に泊めて貰ったんだー。今日も泊めて貰うね~」
いつもの能天気な口調で話す望夢の後ろは何やらザワザワしているから何人か一緒に居るようだ。
誰だよ? 彼女か?
違うよ~。
そんなやり取りが電話ごしに聞こえてくる。
「じゃあね~」
「ちょ、望夢?」
いつまで第2寮に滞在するつもりなのか?
そう聞こうとした時には電話は切れていた。
望夢から連絡が来たことで、問題は解決した筈だ。けれども不安な気分は落ち着くどころか更に増幅した。
ちょっと外を散歩して頭を冷やしてこようか。
そう思って部屋から出ようとドアノブに手を掛けた途端、ドアが勝手に開いてつんのめりそうになった。
「わっ」
「晩里~お久ぁ~!」
「……キリ」
廊下に立っていたのは、嘗ての「知り合い」であるキリだった。
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