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his genome-2
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さっき第2寮でマッチョ男に捕まってた綺麗な男の人が何処から入り込んだのか俺のベッドに寝そべっていた。
あまりにナチュラルに寝てるから一瞬俺が部屋を間違っているのかと思ったけど、俺の荷物に俺の服があるんだから誰が何と言おうとここは俺の部屋だ。
「な、何で俺の布団で寝てんですか!」
「晩里に似てるから」
「はぁっ?」
何だそれ!
似てるからで他人の布団に潜り込んでも許されるとでも思っているのか。
「あの……」
「なーにー」
「と、とりあえずここ俺の部屋なんで。貴方が寝ているのも俺のベッドなんで」
「キリ」
すんなり受け入れて貰える確率は5%ぐらいかなと思ってはいたけど、イエスでもノーでもない何かよくわからない単語で返事を返されてしまった。
「はい?」
「キリっていうの、俺の名前。そっちは?」
「あ、えっとユタカです」
「よろしく~」
手に持っていたスマホを取り上げられ、勝手に番号を交換された。
「鈴にいの知り合いですか?」
「知り合いじゃないよ。昔の恋人」
へぇ~。
「いつ付き合ってたんですか?」
「大学生の頃だよ。ここの大学の寮で暮らしてたんだ~」
こんな綺麗な人を侍らせてたなんて鈴にいも隅におけないや。
「ところで」
「ほいほーい」
「俺そろそろ寝たいんですけど」
「どうぞ~」
どうぞ~じゃないよ!!
何、貴方の為にスペース空けてあげましたみたいな顔してんの!!
「あの……そろそろお帰りになられては」
「だって晩里機嫌悪いんだもん」
鈴にいの不機嫌はあんたの所為でしたか。
鈴にいの所に泊まろうとしたらけんもほろろに追い返されて、適当に入り込んだ部屋が俺の部屋だったと。
「それはちょっとだけ嘘で、本当は晩里の匂いがしたから」
あんたは犬ですか!!
でも、俺の部屋でまだ良かったのかも。
こんなに綺麗な人が他の男の部屋に侵入してたら、どんな目にあってたかわからない。
特に第2寮とかそういう話をよく聞くし。
華奢なキリさんなんか格好のターゲットになりかねない。
そう思うと、何となくこの人に情が沸いてしまった。
「泊めるのは今夜だけですよ」
「やった~!」
許可が降りた途端キリさんはいそいそとカバンの中からコンビニのビニール袋を取り出した。
「そういや名前何だっけ?」
「ユタカです」
「そ。ユタカも食べる?」
「いや、俺もう夕飯済ませたんで」
キリさんがテーブルの上に並べたのはサンドイッチとカットフルーツ、サラダにカフェラテと、美容を気にする女子のようなメニューだった。
サンドイッチだったらそうも床を汚さないだろうし明日、鈴にいが来る前に綺麗に掃除したらいいや。
寝るときは電気消して下さいねと言ってベッドに潜り込んだ。
「本当に晩里に似てる」
夢の中で誰かに頬を撫でられた気がした。
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