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ハンバーグを作ろう-3
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「今日の夕飯は何にしましょうか?」
晩里はスーパーの入り口にあるショッピングカートの置き場から大きめのカートを1台引き出してカゴを2つ乗せた。
「俺、カート押すから晩里が花持って」
「わかりました」
晩里に花を渡した瞬間、何処からか射るような視線が飛んできた。
「?」
振り返って周りを見渡してみても誰も居ない。
晩里は気付かないのかな?
「今日は挽き肉が安いようですね」
左腕で牡丹の花を抱えて、壁に貼り出されている今日のチラシを念入りにチェックしている。
「挽き肉使った料理って何がある?」
「そうですね、ハンバーグとかピーマンの肉詰めとか……メンチカツ、ギョウザ、ミートソース……」
「俺ハンバーグがいい!」
「じゃあそうしましょう」
いいな、こういうの。
何だか新婚さんになったみたいだ。
ベタなハンバーグってとこがまた初々しさがあって、名前も知らない流行りの料理より全然いい。
ひんやりとした野菜コーナーで早速晩里は足を止めた。
「玉ねぎと、あとサラダも作るからキャベツとキュウリとトマトが要りますね」
晩里が手際よく選んだ新鮮な食材を俺がカゴに入れていく。
「望夢、卵を2パック持ってきて貰えますか?」
「オッケー!」
何か奥さんの買い物に付き合うお父さんみたいでワクワクする。
でも、そんな楽しい気分もすぐに萎れてしまった。
卵売り場に行ったら、またさっきと同じような視線を感じたから。
もう! 一体誰!?
見渡してもやっぱり誰も居なくて、いい加減気味が悪くなる。
「卵……卵……」
あ!
卵の陳列されている籠の奥が鏡になっていて、そこに映り込んでいる男の人と鏡越しに目が合った。
この人だ!!
この人がさっきから俺の事を見張ってるんだ!!
まさかのストーカー!?
文句を言ってやろうと振り返ったら、その人は棚の陰へと姿を消してしまった。
もうっ!
何なんだろ、一体!
追い掛ける気にはならなくて卵を持って晩里のところへ戻った。
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