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図書館へ 4
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「エディ。」
僕の名前を呼ぶ優しい声が降ってくる。
僕はその声の主を知っている。
「エディ、おはよう。」
目を開けば目の前に夕日をバックにしたグレンの顔がある。
どうやら僕は図書館で眠ってしまっていたらしい。
「ん…グレン、さん…」
目を開けてすぐに見れたのがグレンさんの顔で凄く幸せ。
まだ意識のはっきりしない僕はぼんやりとグレンを見つめて微笑む。
グレンさん、大好き…
「好きです…」
「………え?」
ガタッ
いきなりの大きな振動で僕は意識がはっきりとしてきた。
僕をひざまくらしていたグレンが動いたのだ。
「…あ、いや、そのっ!!」
言ってしまった。
言うつもりなんてなかったのに、寝ぼけていて思っている事が口に出てしまった。
「あの…」
黙り込むグレンに何も言えなくて目に涙が溜まる。
すると突然音楽が鳴り、
『閉館五分前になりました。まだ館内に残っている方は恐れ入りますがお急ぎ下さい。』
閉館の放送が入る。
「…帰るぞ、エディ。」
静かな館内にグレンの低い声が響く。
遠い
グレンとの距離が、また遠くなった。
帰りたくない。
帰ったらきっと振られちゃう。
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