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-借り物競走-
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「あっ始まるよ!!」
パーンと始まりの合図が鳴る。
皆が一気に走り出し、カードを引いていく。
…九龍も引いた。
「九龍くん何引いたのかな…って、え!?こ、こっち来てない!?」
「ほ、ほんとだ!やばい!え!?い、いや、まだ好きな人のカード引いたとは限らないし…」
周りの女子がキャーキャー騒いでいる。
九龍の人気、すげえな…
にしても、本当に迷わずこっち向かってくんじゃん。…まさか好きな人のカード引いたのか…?
他の選手は、「今日赤い靴下を履いている方ー!」とか「今チョコレートを持っている方ー!」とか叫びながら走り回ってるし。でも九龍は、そうじゃない。
九龍はうちのクラスの前に来ると止まった。
クラスの女子…いや、男子までもが息を呑む。
そしてー………
「…一緒に来て欲しい……………………柊」
ばっと皆が一斉に俺を見る。
…………んんんんんんんんん?
「…俺?」
「…そう、柊だよ」
そういって九龍は俺に手を伸ばす。
俺はその手を掴んでー……………………一緒に走り出した。
周りからはいろんな感情の悲鳴?というか叫び声があがる。男子は口笛を鳴らしてる人とかいる。
…え?何で俺?
ちらっと九龍の握っているカードを見ると。
"………or………な人"
くそ、肝心な所が見えねえ!!!!!
でも………さっきの楠田達との会話を思い出す。
『毎年借り物カードの中に"好きな人or大切な人"っていうカードがあって~』
「……!?」
いや、早まるな柊奏汰!
…ちら、と九龍の方を見るが横顔からは表情は全く読み取れない。
もはやこの場にいる全員が緊張の空気に包まれる中、俺達はゴールにたどり着いた。
「それでは2組九龍くん。引いたカードを読み上げて下さい。」
「…俺が引いたカードはーー…………」
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