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山眠る ~プレ2
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藤沢藍の頭の中で、ショパンやシュトラウスⅡ世、チャイコフスキー等のワルツが大洪水で渦を巻いている。
意識は覚めているのに、目が開けられない。
「…い」
藍の耳元で、渦を破る囁き。
「藍」
「…ん」
藍が目を覚ますと、大洪水の渦が消えた。
「起きなくていいの? 学校は?」
「…学校…は、今日は入学式で休み。始業式は明日」
「あ、そうなんだ。もう一回寝とく?」
「…ん」
藍は再び目を閉じた。
「俺、起きるんで、身体離していただけるとありがたいんですが」
「…ん?」
「俺、抱き枕?」
男は、息が掛かるほどの距離で、ゆっくりと口端を上げた。
藍は男──高瀬綾哉(タカセリョウヤ)の身体を、腕と脚でがっちりと押さえ込んでいた。
「…あぁ…」
「ネコに抱かれるのも悪くないけどね」
藍が腕を緩めると、綾哉はその腕を取って指を絡めた。
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