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夏の章二 清明(せいめい)
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可児が自室に戻ると、ベッドの真ん中で、遊命が大の字になって眠っていた。
遊命の頭の中には、遠慮という文字が無いらしい。可児は深い溜め息をついた。
「遊命、もうちょい端寄って」
可児はベッドの縁に座り、遊命の身体を揺すった。
「んー…」
遊命は生返事で寝返りをうつと、可児に身体を擦り寄せた。
「逆や、逆」
「くくく…」
「わざとやろ? 退けっ!」
「いてっ」
可児が遊命の身体を強く押すと、ごろんと元の位置に戻り、再び寝息をたて始めた。
可児はまた溜め息をつき、遊命に顔を近づけた。
息が返ってくるのを感じながら、可児は唇を重ねた。
「…可児、梅酒飲んだ?」
唇を離すと、眠っていると思っていた遊命が、小さく呟いた。
「ん? 一杯だけな」
「旨い…」
遊命が自分の上唇をペロリと舐める。
「…遊命って天然?」
「…ん?」
そういう仕草が、誘っているのだと気づいていない。
可児はもう一度、唇を重ねて遊命を求めた。
可児の舌が遊命の歯列を割り、本人同様寝ている舌に絡めたが、反応は鈍い。
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