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夏の章二 清明(せいめい)
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「遊命…、遊命……」
遊命の耳元で、可児がうわ言のように名前を繰り返す。
名前を呼ばれる度に、遊命は繋がった部分を締め付け、可児を絶頂へと促した。
吐く息が荒くなり、宙を足掻いていた遊命の足に緊張が走ると、可児は遊命の中で潰えた。
脱力した遊命の身体の中を、可児の熱い精が侵していく。
たった一枚の薄い壁を通しても、その熱さは遊命に伝った。
藍と抱き合った時には、得られなかった充足感。
重なりあう吐息すら愛しい。
遊命は抱き留めていた腕を更に強めた。
「可児…」
「…ん?」
「こ…腰が痺れた。マジ退いて」
「……」
「可児…?」
「…遊命さん、情緒なさすぎや」
「この状況で、情緒とか無理。俺は、一刻も早くこのM字開脚から解放されたいんだよ」
「赤ん坊はこの格好がいっちゃん楽やのに」
「俺は0歳児じゃねぇっつーの」
「そやった、そやった。あんま出来悪いんで、生まれたてかと思ったわ」
「やかましい」
「いてっ」
遊命は、押し返そうと肩に置いていた手で、可児の額にチョップを食らわせた。
「遊命、ツッコミが雑」
「いいから、退いて。股関節が外れそう」
「え…、そうなん?」
可児は上体を起こし、遊命から退いた。
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