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夏の章二 清明(せいめい)
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深く折り曲げられていた遊命の足は解放され、ゆっくりと元の形に戻される。
「…ぃてて」
「大丈夫?」
「…ん」
力が抜けた遊命の身体を疲労感が襲う。
このまま眠ってしまおうと、遊命は目を瞑ると、頭の上でごそごそと音がした。
まだ何かあるのかと、眉をしかめていると、突然光に照らされた。
「ん~~…、何だよ、眩し…」
暫く目が開けられないでいると、可児が遊命の身体を擦っていた。
「身体中ベタベタや。気持ち悪ない?」
「それより眠い」
「もう何もせぇへんから寝ぇ」
「…ん」
可児がティッシュで身体中についた残骸を拭いていく。遊命はなすがままで、既に寝入っていた。
光の下で、初めて見る遊命の裸体。
可児の視線は、濡れそぼった一点に注がれた。
「……パイパンかい……」
アンダーの色も想像通り薄い。しかも量も少ない。
幼児性愛の嗜好のない可児は、それより反社会的な『情婦』を想像して、胸をざわつかせた。
引き締まった身体には、いたるところに傷痕。
テコンドーを習っていることや、ざっくりと聞いた過去の話の中には、喧嘩上等なところがあったので、その結果なのは一目瞭然だが、左肋骨脇にある二つの火傷の痕は、それらとは一線を画していた。
一つは押し付けられた痕。
もう一つは、押し付けた後、斜め下に引きずったようにひきつれた痕が続いている。
作為的につけられたのは明らかだった。
──根性焼き? …やな、これ。
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