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夏の章二 清明(せいめい)
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朝、目覚めるとベッドには遊命一人だった。
暫くベッドの中でうだうだした後、隅に追いやられていた自分の下着とジャージを身につけた。
この瞬間が、一番恥ずかしいと遊命は思っていた。
他人に言えないような恥態を、頭の中で反芻し、と同時に可児から受けた仕打ちにむかついていた。
「あいつ、ほんっとに変態」
遊命は毒づきながらベッドを出た。
剥ぎっぱなしの空のベッドは妙に生々しく、昨夜のことを思い出させる。
寸止めという初めての経験に、強がってみたものの我慢しきれず、ついにはねだるように求めてしまった。
そして、起きてからも、昨夜の行為にずっと囚われている。
じわじわと体温の上昇が分かった。
疼くような胸の高鳴り。
身体の奥の熱の塊が、その熱れを放出しようと駆け巡る。
「……はぁ……」
この部屋にいては、ぐるぐると思考の渦に巻かれて、埒があかないと、遊命は意を決して部屋を出た。
たかがセックスに、こんなにも囚われるなんてどうよ?
と、自問したが勿論答えはない。
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